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13年8月沖縄県主要指標,
13年7月一般職業紹介状況
やはり忙しいので手短に.もっとさくっとVARを回せる渋い大人になりたい.
まずは鉱工業生産(7月分).年頭の水準(DECOMP季調値で1月=95.3, 7月=94.2)に戻ってきたが,少し下がりすぎな印象も.
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沖縄の鉱工業生産, 2005年=100. 薄灰色が原数値, 黒がDECOMPでの季節調整値, 青がトレンド, ピンクが日本全国のトレンド. 出典: 経済産業省「鉱工業指数」 |
先月気にしていた石油製品工業は壊滅.大丈夫か?
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沖縄の石油製品工業(青線がトレンド, 2005年=100).出典:沖縄県「鉱工業指数」. |
次に消費者物価指数(8月分).All itemだとプラスのインフレ率に.
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那覇市のCPI(灰色)とコアコアCPI(青)の前年同期比のトレンド(単位: %). 薄い色が原数値. 出典: 沖縄県 「消費者物価指数」 |
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沖縄県のCPI(灰色)とコアコアCPI(青)の前年同期比のトレンド(単位: %). 薄い色が原数値. 出典: 沖縄県 「消費者物価指数」 |
内地よりは沖縄の方がわずかながらインフレぎみかなという印象.
最後に労働市場を見る.2011年頃からの改善トレンドは変わらない.完全失業率(8月分)は前月より
悪化しているが,
労働参加率が上昇していることも見逃せない.
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沖縄県の完全失業率, 男性 (単位: %). 青がトレンド, 灰色太線がDECOMPでの季節調整, 薄い灰色が原数値. 出典: 沖縄県「労働力調査」 |
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沖縄県の完全失業率, 女性 (単位: %). 青がトレンド, 灰色太線がDECOMPでの季節調整, 薄い灰色が原数値. 出典: 沖縄県「労働力調査」 |
- 非労働力人口が減って労働参加率が上昇している.
- 労働力人口/15歳以上人口 = 59.6%. (男女計), は前年同期比で約1%上昇している.
- 完全失業者には含まれないタイプの失業が減っていればいいね.
- 15-34歳あたりの若年層の労働環境もじわじわ改善中.
- そのうち13年前半の好況が反映されていくのでは.
一般職業紹介状況のデータ(8月分)から.失業uは悪化しているが,vacancy rateの水準もまだまだ高いことがわかる.
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沖縄のBeveridge curve, 2009/01--2013/08. 出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況」, 沖縄県「労働力調査」 |
有効求人倍率は復帰以降,89年に並ぶ最高水準,とのことなので時系列で見てみよう.
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沖縄の有効求人倍率. 灰色太線がDECOMPでの季節調整, 薄い灰色が原数値. 出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況」. |
- バブルじゃないといいね.
- サービス・小売・宿泊などの部門で求人が増えている.短観でもこれらの産業はかなりポジティブであった.(今月の短観は全体的にポジティブだ)
2011年頃から,非製造業部門を中心に沖縄の景気は拡大しているようだ.日銀の雇用人員判断DIでも,以下のように非製造業を中心に今年に入ってから人手不足感が目立ってきている.
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出典: 日本銀行那覇支店「県内企業短期経済観測調査結果(短観)」 |
夫れこうした部門で労働生産性が急速に高まっているのだろうか?はたまた
震災ショックが一段落 & LCC就航 → 観光客増加 → 観光関連産業で雇用増加,
という経路だろうか?
スカイマーク含むLCCのインパクトは重要かもしれない.ピーチやバニラの参入で観光サービスの輸出にかかる輸送費用が今よりさらに低下していけば,来年の消費税増税頃までは活況を呈することになるだろう.その傍ら,観光客のハートを掴めない低生産性小売店などは,input priceが上昇して憂き目を見るかも.