Friday, November 15, 2013

経済政策II, 第7回

講義内容:
  • 政府支出の効果を巡る議論
    • 民間から資源を奪う,というクラウディング・アウトが起こりうる.
    • 需要を生み出せば所得を生み出し,さらに需要を生み出す,という好循環を生み出すきっかけになりうる.
      • こうした理論は実際の財政出動の根拠にもなってきた.
      • いくつかの仮定からガリガリ計算していった結果,「Y = G + (定数)」というシンプルな形の結論を得た.
        • 仮定の現実味はともかくとして,こうした計算は経済学のお約束として習熟しておきたい.詳しくはマクロの教科書を参照あれ.計算過程をかなり丁寧にフォローしたため長大な計算に見えるが,仮定→式を整理,という単純なステップを踏んでいるだけである.慣れてくると1分もあれば答えにたどり着けるようになる(はず).Practice!
        • 数学を使わずに「Gを増やせばYが増える」を誤解の余地なく主張することは案外難しい.
      • 直感を掴むには,三面等価を理解しておくことが不可欠.
    • 単純に今日のGDPさえ増えればそれでいいのか,という議論はまったくもってsensibleである.政治をやりたいわけでなければ,安易に財政政策を支持することやあるいは逆に否定することは慎み,もう少し詳細に経済学を学んだほうがよい.
  • 労働市場
    • 財・サービスとは需給の立場が逆転.
    • 労働を財・サービスのごとく扱うことはいろんな意味で問題があるかもしれない.がとりあえず可能な限りシンプルなレベルで分析を行う.
    • ミクロで習うような需要と供給のモデルにまったくもって不慣れな人は,別途勉強し直すとよいかも.
次回:
  • 労働市場の実際とモデル
中間試験:
  • 11月27日に予定.
  • 私のウェブサイトに練習問題をアップロードしている.ここからそのまんま出題するわけではないが,試験対策の材料として利用しよう.
  • 事後的な救済は行わない.採点・成績評価は公平を期する.なるべくいい点数が取れるよう努力してください.
コメントより:
  • 「今の経済のやり方が100%正しいとは言えない」
    • ほとんどすべての経済政策はプラスの効果とマイナスの効果両方持っています.様々な効果に目を配りつつ,特に大切な部分に焦点を絞る,マイナス効果を負担する人を説得する,といった難しい知的労働が,経済政策を考える上で必要になります.

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