Wednesday, November 20, 2013

経済政策II, 第8回

講義内容:
  • 労働市場の実態
    • 完全失業率の定義
      • 「失業率」といったときには通常,完全失業率のことを指す.
      • 完全失業率は名前に反して「完全な指標」というわけではない.働き方,生き方が多様化している中,時代の流れに対応した新たな指標も必要かもしれない.
    • フリーターやニートといった近年の若年労働者の問題は,失業率だけでは見えてこない.
    • 労働時間の変化も重要
      • 法律を変えるだけでは,政府の思い通りにならないことが多い.
  • 労働市場のモデル
    • 需要と供給の両面を考えていく.
    • 時間の都合上,供給曲線を垂直に描いている.右上がりにしてもかまわない.
次回:
  • 講義前半は普通に授業を進める.
  • 後半は中間試験を行う.短めの論述問題も出す予定.復習する,練習問題を解く,などしてとにかく頭を動かしておこう.
  • 言い忘れたが,テストはなるべく黒か青のボールペンで記入するように.シャーペンはなるべく使わないでほしい.
 コメントより:
  • 「法律改正でバブルが崩壊したようにも見える」
    • とてもいいポイントを突いてます.これまでの話のつながりが見えてくるようになったかもしれませんよ.
    • バブルの崩壊は,株価の下落が90年,地価の下落が91年頃から始まっています.崩壊のきっかけが何なのかは諸説あります.というのも,法律改正以外にもバブル崩壊のきっかけになりそうな事件がいくつも起こっているからです.
      • たとえば,リクルート事件,湾岸戦争,自民党敗北,といった政治的混乱もありました.また,89年には日銀が利上げするなど,金融政策の転換もありました.
      • 法律改正についても,土地基本法改正(89年)のように,より土地バブルと密接な関係がありそうなものが変わっています.
      • 結局どれが本当の原因か,は実際のデータと格闘して白黒付けることになります.が原因を特定することは最新の統計テクニックを使ってでさえもそう簡単にはいきません.
    • ちょうど明日(21日)の5限に「学問と社会」というオムニバス講義で,相関関係と因果関係の話をじっくりする予定です.ヒマがあればどうぞ.(宣伝)
  • 「すべての会社が法律を守っているわけではない.とても難しい問題だと思う」
    • 法律さえ整備すれば世の中うまくいく,というわけではないですね.個人のモラルに問題があるケースもありますが,法律の設計自体に欠陥があるケースも往々にしてあります.
    • 経済学者にはそういう事例を好む人が少なからずいて,法学者とよく敵対関係に陥るようです.
    • ちょうど明日(21日)の5限に同じ話をする予定です(再び宣伝).
  • 「ボールペンがつかなくなった」
    • テスト中にはそうならないように注意してください.

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