Wednesday, November 6, 2013

経済政策II, 第6回

講義内容:
  • 日本財政
    • 公務員を目指す人は何らかの形で勉強しておくといいかも.
  • リカードの中立命題
    • 負担を先送りしても,その分負担は重くなる.現在負担(租税)するのと負担を先送りする(公債)とを比べると,どちらが有利というわけでもない.
      • 調達手段を議論するよりも,お金の具体的な使い道を議論する方に政治のリソースを割いてほしい.
    • いつか増税されることがわかっているなら,早いうちから備えるべきかもしれない.
    • 中立命題は,実際に誰が負担するか,という公平さについては何も主張していない.
    • 中立命題は,ダイナミックな最適化という現代マクロのスピリットに支えられている.しかしながら,現実味抜群の命題というわけではない.むしろ中立命題が成立するためには様々な極端な仮定が必要である.
  • 財政を設計し運営していくときには,損をする人・得をする人について丁寧に考えていく必要がある.
  • SNAと租税の話
    • マクロで見ると,租税は支出じゃなくて所得移転.
    • 民間と政府の貯蓄が,投資の原資になっている.
次回:
  • 政府支出の話
  • 労働市場の話 (レジュメ4の用意をお願いします)
  • これはまずい,と思った人は,復習するなり,参考書を紐解くなり,履修取消を検討するなり適宜対処してください.
    • レジュメ3がこの講義で数学的に一番しんどい部分になる予定です.
 コメントより:
  • 「税金はだるいが我々の生活を陰で支えている.その役割がわかってよかった」
    • 誰かから取って誰かに渡すことを所得の再分配と言います.再分配(特に社会的弱者に渡すこと)は社会をうまく切り盛りしていく上で不可欠な要素です.
  • 「消費税が上がって消費や経済の流れも大きく変わってくる,注目していきたい」
    • いいポイントを突いていますね.可処分所得やその見通しが変われば消費や投資も動きます.消費税は景気に大きく影響する可能性がありますし,政治面でも波乱要因になりがちです.Y = C + I + G, に直接出てこないからといって無視していいわけではありません.

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