Showing posts with label openmacro. Show all posts
Showing posts with label openmacro. Show all posts

Monday, February 1, 2016

国際経済学II, 第14-15回, 2015

結局更新は期末試験に間に合いませんでした.試験日程で混乱があったことも改めてお詫び申し上げます.

今回は採点に秘密兵器を投入したこともあり,例年よりカンニングが多く検出されました(言い逃れできないやつだけで5組11人検出しました).中には中間でも私の他の科目でもチートしていた常習犯もいます.最終的な成績は,見た側も見せた側もFにしています.不服があれば申し立ててください.

学問の世界では,一般社会以上に正直さと誠実さが求められます.人を欺くのは簡単ですが,真理を探究する場を破壊することにつながります.いかなる事情があっても不正は許されない行為だと思います.最近妙な手記を出版した人に対するアカデミアの怒りを思い起こしてください.

得点分布は次の通りで, 0点にある塊はカンニング組です.

平均が71.4で中央値が78点でした.十分ではないにせよけっこうよいと思います.中間でいまいちだったけど期末でがんばったような人も多かったようです.
最後の問題(金利平価から予測される為替レートの動き)は設問に曖昧なところがあり,曖昧な解答が多く採点できませんでした.「為替レートが増える/減る」といったまるで伝わらない表現を取る人がこんなに多いとは思いませんでした.

この講義では国際マクロの基礎知識を足早にカバーしてきました.あまり多くのトピックはカバーできませんでしたが,さらに深い学習をする土台を作れたら幸いです.
一歩進んだ勉強をしたい場合,さしあたりIS-LMやマンデル・フレミングが出てくるマクロの教科書を読むとよいと思います.応用分野に挑む前にベーシックなマクロの知識を体得しておくべきです.


少し前の講義のコメントより
  • 「単純に考えると円安は自国にポジティブだが,他国に打撃なのであまりできないとわかった」
  • 「金融政策によって世の中成り立っていることがわかった」
    • 我々が貨幣を使って生活している以上,金融政策は大事ですね.この講義では趣旨がずれるのであまり深く議論できませんが.
  • 「EUみたいに通貨が決まっていた方が他の国に行きやすくていいなと思った」
    • 独自通貨を持つことの費用便益を考えねばなりませんねぇ.
  • 「知識として自分自身で理解することができた」
    • 考える力を高められるといいですね.
  • 「ゼミでよろしくお願いします」 
    • どういう方が来るか楽しみです.応募者が定員より多かったので,適当に乱数を生成して一番高かった人から選びました.
  • 「先生の話は聞きやすくわかりやすいので来年も受講します」
    • 水曜の3限に新しい講義を開講予定ですが,かなり難しい内容を扱うので履修は注意してください.
  • 「あけましておめでとうございます.大城先生も良い年であるようにお祈り申し上げます.」
    • あけましておめでとうございます.
  • 「成人祝いはいつでも受け付けますよ!」
    • 大人をたかってはいけません.

Friday, December 18, 2015

国際経済学II, 第12回, 2015

来週は休講です.また来年お目にかかりましょう.ようやくつかの間の研究モードに突入できます.

講義内容
  • パススルー
    • 為替レートから価格への影響は様々.
  • Jカーブ
    • 貿易収支への影響も一様ではない.
講義中に触れた米利上げですが,実際の為替レートの動きはこんな感じでした:
17日4時(画像真ん中あたり)のタイミングで米利上げのアナウンスがあり,金利平価通り円安に触れています.ただ,翌日12時50分日銀補完措置導入時の個人投資家殺しな動きの方が目立ちますね…


コメント
  • 「将来の為替レートe'が上がると予想される,ということは,たとえば「1年後に金利を2%挙げる」などの発表があったとか海外投資が活発になりそうな要因が起こったなどか?」
    • とてもすばらしい洞察です.将来の金利も将来の為替レートに影響するわけですから,突き詰めて考えていくと,2年後,3年後,またその先の金利も,現在の為替レートに影響することになります.将来の金利がどう動いていくか,が大切なのです.
    • 将来の金利がどう動くかを予想するためには,投資も含めてマクロ経済全体を見通す思考が必要ですね.
  • 「原油価格が下がるとなぜ黒字に転換する手助けになるのか」
    • (輸入数量が大きく増えなければ)原油の輸入に支払う代金は減りますね.輸入が減れば貿易収支は増えるはず.
    • もちろん,原油の代わりに別の何かをもっと輸入するようになる,など副次的な効果がありますので,トータルで見て結局どうか,という点について一概には何も言えないと思います.
  • 「自分が株とかをしていなくても輸出や輸入があるので,生活に大きく関わっているとわかった」 
    • 生活に欠かせない電気にしても,原油や天然ガスを輸入して燃やしていますね.(私は最近電気代でひどい目に遭いました…!)
  • 「単純に円安になると外国に安く物が売れるので多く売ったり,値上げのチャンスがあると思っていたが,Jカーブ効果もあるとわかった」
    • 為替やマクロは,単純化して論じるには難しすぎると思います.
  • 「Jカーブで黒字に変わるにはどれくらいの期間がかかるのか? 輸出は先に契約していてすぐに伸びないと言っていたが,輸入もいっしょでは.」「円安でもすぐに貿易収支が黒字にならないのはなぜか」
    • 答えにくい,よいツッコミありがとうございます.諸説ありますが,為替レートや金利はすぐ動くのに,消費者や生産者はすぐ動けない,というタイムラグが悪さをしている,というのが説明の根幹にあるのではないかと思います.
    • 赤字の期間を特定するのはけっこう難しいです.3ヶ月ぐらいならある,とかいう研究もありますし,そもそもJカーブなど存在しない,という研究もあります.
  • 「来年もよろしくお願いします」
    • お願いします.
  • 「今日もクールでみとれてました」
    • アッー!

Sunday, December 13, 2015

国際経済学II, 第11回, 2015

教えるためにモダンな国際マクロを少しずつ独習しているが,様々なエージェントのBSが為替リスクにさらされているという事実をちゃんと考えることが大切なのだと感じる.

講義内容

  • 金利平価(カバー無し)
    • 金利差を利用して裁定取引できないように為替レートの動きが決まる.
    • 現実には裁定取引をするにはリスクが伴うし,そのリスクを許容できる能力にも限りがある.金利平価が厳密に成り立つわけではない.
コメントより
  • 「$i^*$が上がったときなぜ左辺の$i$も高くなるのかわからなかった」 
    • いえ,左辺$i$ (と$e'$) は動かないものとして考えてください.左辺を動かさずに等号を成り立たせるためには,右辺も変化しない必要があります.$1+i^*$が上がったときに同じ割合で$e$が上がれば右辺はトータルでみて変化せずに済みますね.
  • 「外国で運用する場合,金利だけでなく為替についても考える必要がある」 
    • 某同僚氏は為替リスクをヘッジせず外貨建て預金を持っていて大変なことになっていたそうです…
  • 「計算方法はわかったが少し難しかった.外国と裁定取引することが難しいこともわかった」
    • 難しいことをしなければ儲けることは難しいと思います.
  • 「計算は難しいがなんとなくメカニズムはわかった気がする」
    • 数式を頭に丸暗記するより,メカニズムを理解することのほうが大切です.
  • 「難しかったけどちゃんと理解できたのでよかった」「理解できた」
    • よかったです.
  • 「先生はどんな会社の株を持っているの?」
    • ラーメンのスープと同じく投資戦略はヒミツにするのがお約束ですが,特定の企業に執着しないようにはしています.
    • アカデミックな定石を知るには,バートン・マルキール (2011) 『ウォール街のランダム・ウォーカー (10th)』日本経済新聞出版社,が読みやすくておすすめです.


Monday, December 7, 2015

国際経済学II, 第8-10回, 2015

やっと中間試験の採点が終わりました.得点分布は以下の通り.

  • 98人受験して,平均72.4, 中央値74, 標準偏差16.7, であった.
  • 満点が2人.すばらしい.
 悪くはないけど,ちょっと油断しすぎですね.せめてGDPや国際収支の恒等関係ぐらい覚えましょう.手応えなかった人は期末で挽回してください.

カンニング濃厚な答案が少なくとも2組(4人)見つかりましたが,普通に採点しても全員60点未満だったのでそのまま滅びるといいと思います.



講義ノート作成が追いつかない…

講義内容
  • 為替制度の歴史
    • 金本位制→ブレトン・ウッズ→変動為替相場制,という流れは最低限押さえておきたい.
    • ヨーロッパはハイレベルな統合に向かっている.通貨も一部を除き共通化.
      • EECをECCと間違って板書したかも? レジュメが正しいです.
  • 購買力平価
    • 為替レートは一物一価の法則が成立するような水準に落ち着くはず.だが,短期的にはあまり成り立たない.

コメントより
  • 「歴史でおすすめの本はある?」
    • ジャンルにもよります.経済史だと,猪木武徳 (2009) 『戦後世界経済史: 自由と平等の視点から』中央公論, あるいは,ジャレド・ダイアモンド (2000) 『銃・病原菌・鉄』草思社, アブナー・グライフ (2009) 『比較歴史制度分析』NTT出版,です.難解ですが(数式こそ出てこないですけど),最近亡くなったノーベル賞受賞者のダグラス・ノース (1994) 『制度・制度変化・経済成果』晃洋書房,あたりも.
    • 経済学から離れると,いろいろありますが以下の通りです.
      • 日本史:
        • 網野善彦の一連の著作,
        • 東京大学史料編纂所(2014) 『日本史の森をゆく: 史料が語るとっておきの42話』中央公論新社,
        • 服部英雄 (2014) 『蒙古襲来』山川出版社,
      • 西洋史:
        • 近藤和彦 (2014) 『民のモラル: ホーガースと18世紀イギリス』筑摩書房,
        • 角山栄 (1980) 『茶の世界史: 緑茶の文化と紅茶の社会』中央公論新社
        • 森田安一 (1998) 『スイス・ベネルクス史』山川出版社
      • 東洋史:
        • 歴史小説の部類に入りそうですが,三国志や史記列伝は教養として押さえておくとよいと思います.たくさんありますが誰が書いたものでもよいです.
  • 「固定相場の時代があったとは知らなかった」「世界の仕組みが第二次世界大戦以降に作られたものであることがわかった」
    • 固定相場ってのはこれまた不思議な制度なんですよね.
    • ブレトン・ウッズ会議はまだ戦時中(44年) ですけどね.
  • 「とてもよい知識となった」「歴史を学べた」「EMSやECははじめて聞くことで勉強になった」
    • よかったですね.
  • 「なぜイギリスはユーロを使用していないのだろう」「固定相場のメリットはあるのか」
    • 最適通貨圏の議論はレジュメ6で学びます.他のユーロ圏とは景気の動きが少し異なるようで.イギリスと一口に言っても,スコットランド,ウェールズ,北アイルランドといった異質な地域を含んでいることもあるかもしれません.
  • 「金本位制の頃のレートはどう決めたのか気になった.なんとなくで決めると,物価の違いで貿易などがおかしくなりそうなので」
    • とてもいい線を突いたコメントです.レートは法律で定めてしまうので,政治家・官僚が決めていたわけですが,こうして決まるレートが市場で決まるレートと一致するとは限りません.貿易(経常収支)や物価・マネーストックを通じておかしくなるわけですが,このあたりのロジックを適当な経済モデル(マンデル・フレミング・モデルなど)抜きに説明するのは私には難しそうです.
  • 「大恐慌とリーマンショックは何が違うのか?」
    • 専門外なのでよくわかりませんが,原因も帰結も市場環境(特に金融市場と労働市場)も大きく異なるのではないでしょうか.
  • 「スーツ似合ってる!」
    • 普段もですよ!
  • 「スーパーとコンビニでは,同じ物を売っているけど値段が違うので,一物一価の法則が成り立っていないのではないか」
    • 一物一価が厳密に成り立つ世界というのはあくまでも高度に抽象化された理論上の話だと思っていただければ. 単純な理論にはスキマがあり,そこを埋めるのはとても大切です.よいコメントですね.
    • 同じ商品でも,購入までの所要時間などを加味すると「同じ物」とは言えないかもしれません.スーパーとコンビニの価格差は,輸送費用などによる裁定可能性の限界だけでなく,付随するサービスの違いも反映しているかもしれません.
  • 「基地の中と外とでは物の値段って違いますか?」
    • 売ってるメニュー自体にけっこう差がありますし,競争環境が異なるので比較は簡単ではないですね.私はあまり進入したことがないので実態はわかりません.
    • 購買力平価を愚直に解釈すると,基地の内外で価格差がないような水準に為替レートが決まっているはずです.
  • 「円の過小評価→爆買い,がわかった」
    • 安売りしているわけですな.
  • 「ビッグマックが他国より安いことは初めて知った.地元のマックにも外人が多いので納得した」
    • そうなんですね.
  • 「ビッグマックの例がとてもわかりやすかった」「レートでどれだけの差があるのかも非常に興味深かった」「聞いたことがある言葉の意味を改めて勉強できてよかった」
  • 「アベノミクスが始まり日本はインフレーションになってきていることがわかった.でもそれは日本が好況と言えるのか?」
    • 現段階では日本は期待されたほどインフレにはなっていません.また,好況らしい好況は消費増税前まででした.
  • 「復習しないとごちゃごちゃになってしまいそう」
    • 教科書も読むとよいですよ.

Thursday, November 19, 2015

国際経済学II, 第6-7回, 2015

これまで生きてきて様々な災害や暴挙を見聞きしてきたが,今回はとりわけつらく感じた.音楽やスポーツや食事といった,文化的なものが標的となったせいもある.

理性的な対話が望めない狂信的異常集団,とはどうも思えない.彼らのインセンティブや置かれた環境を理解しないことには何とも語り得ないだろう.そこで慌てて池内恵 (2015) 『イスラーム国の衝撃』文藝春秋,を読んだ.たしかに彼らの計算高さを伺うことができる.(知っておきたかったファクトが一通り簡潔に整理されており,全体的に端正でとてもよい本だった.一般に,テレビやネットでお勉強するよりも,プロの本や論文をひとつ読んだ方がよいと思う.)



締め切りラッシュで忙しいため少し間が空いた.時間の使い方を少し間違えたら詰む予感がするほどピンチではあるが,中間試験前なのでいったん更新.

講義内容
  • 国際収支の実態
    • 経常収支の主な構成要素は貿易・サービス収支.ただ近年は所得収支も大きくなっている.
    • 原油の輸入動向は経常収支の動きに影響を強く持っている.
  • SNAと国際収支
    • 国際収支統計はSNAと整合的にデザインされている.
    • 経常収支の黒字・赤字は国際的なお金の貸し借りの問題であることがうかがえる.
  • 外国為替市場の基本
    • あまたの市場参加者が絶え間なく膨大な取引を繰り広げている.
    • 為替レートは外国通貨の(相対)価格,と考えると混乱しにくいはず.
    • フォーワード取引を使えば,為替変動リスクに対処できる.
    • 資産や負債を外貨建てで保有すると,為替変動リスクにさらされることになる.こうしたリスクは,資産・負債をマッチングさせることでリスクをバランスさせることで回避できる.

 コメントより
  • 「基軸通貨のメリット・デメリットは?」
    • よい質問でした.教室でお答えしたときは,(非ランダム)ネットワークの中心として基軸通貨が存在することとしないことの違いでもって説明しました.質問に答えたことにならなかった気もするので少し補足します.
    • 基軸通貨を持つ国にとってのメリットは,自国の通貨のままで国際取引が可能なことでしょう.為替変動リスクに直面せず済みます.貨幣の取引手段としての役割が強く発揮されます.
      • いわゆる通貨発行益も生じます.講義後にちらっと言った法外な特権(exorbitant privilege)について詳しくは,B. Eichengreen (2012) 『とてつもない特権: 君臨する基軸通貨ドルの不安』をご覧ください.
    • 参考書の橋本・小川・熊本『国際金融論をつかむ』の第7章にも詳細な議論がありますのでご参考に.
      • (私は専門でないので,P. Krugman (1995) "Currencies and Crises"に出てくる整理で理解が止まっています…)
  • 「ドルは基軸通貨で,英語も全国共通語とアメリカが中心に経済が動いていることがわかった」
    • たしかにそうなので英語で発信されている情報を理解できるよう勉強しましょう.
  • 「ヘッジファンドについてもっと知りたい」
    • オーソドックスな金融理論の勉強からしてみては.
  • 「日本にもヘッジファンドは存在するか?」
    • もちろん.ただ実態は私もよく知りません.
  • 「将来活用していけたらいいなと思った」 
    • 県内の企業に就職したとして,輸出入・為替と関わるチャンスはたくさんありますよ.
  • 「為替レートの意味がわかった」「計算は理解できた」
    • いいね!
  • 「為替レートはどのように決まるのか?」
    • それがわかれば苦労しません.が基本的な理論はレジュメ5で学びます.もっと詳しく,という場合は国際金融の教科書を読みましょう.
  • 「円高のときにいろいろ買ったことを爆買いの話で思い出した」
    • 円安になった今は,CDや洋書を買うのがためらわれます.
  • 「近いうちに台湾に行きますがどうですか?」 
    • 4, 5回行ったことがありますがおすすめです.都会も田舎も見所たくさん,コミュニケーションも取りやすく治安も良いです.日中台の国際関係史も勉強してからいきましょう.
  • 「テストでは高い点数をとれるように復習をしていきたい」「テストがんばります」
    • がんばってください.講義内容をマスターしていればなんとかなるような問題を作ります.

Saturday, October 24, 2015

国際経済学II, 第5回, 2015

追記: 学祭のため一週間空きます.

講義内容
  • 国際収支表
    • 経常収支 = 金融収支,で理解するとよい.
      • 実際には誤差は大きい.大きすぎて理解に苦しむ.
    • 経常収支は貿易(や要素所得)の動きを記録するところ.貿易がアンバランス(輸出=輸入じゃない)になると,経常収支が黒字や赤字になる.
    • 金融収支は金融資産の動きを記録するところ.純資産が増える動きは黒字.
      • 基準改訂前に覚えた昭和生まれにとっては混乱しやすいところ…説明する分にはBPM6のほうが直感的で楽.
    • 双子の赤字については講義中に説明したタイムラインが間違っていました.来週訂正します.
  • 来週はレジュメ4に入るかもしれません.用意しておいてください.

コメントより
  • 「経済がプラスにいけばいくほど金も増え,豊かになる.逆は赤字な経済が生まれる.これが単純にわかった気がする」 
    • ところがアメリカは経常赤字続きですが豊かですね.何を持って豊かとするのか,もう少し慎重に考える必要がありそうです.
  • 「ちんすこうのイラストがウインナーに見えます…」
    • たしかに…今度はタルトか何かに挑戦します.
  • 「よくわかった.もっと詳しく知ってみようと思った」「難しい.おさらいしないとおいていかれそう」
    • 金融取引をイメージできないとなかなか難しいところがあるかもしれません.

Friday, October 16, 2015

国際経済学II, 第2-4回, 2015

多忙につき,まとめての更新です.すみません.

講義内容
  •  データの概観
    • 貿易,資本,為替,金利,がこの講義の主役.
    • グラフを見るときはトレンドを見るべし.
  • 資本移動の深化と金融危機
    • ときには資本移動が経済を攪乱することがある.
  • SNAの基本
    • GDPや経常収支や金融収支はフローなので混乱しないように.
    • 名目と実質も区別したい.物価はPPPを学ぶときに再登場する予定.
  • 来週はレジュメ3に進みます.あらかじめ用意してください.


コメントより
  • 「趨勢,乖離,はなんて読むの?」
    • すうせい,かいり,です.ご質問助かります.
  • 「グラフは中学生でも読めるし,もっと短くしてもよかったのでは.」「初歩的だった」
    • たしかに少々遅すぎたかもしれません.受講者の学力に幅がある中で,なるべく多くの人にわかるように,という意識があります.
  • 「グラフを読み取るときはトレンドを使ってみたい」 「トレンドを使うとなんとなく理解できた.わかりやすかった」
    • ありのままにすべて見ようとするのではなく,まずは楽に理解できるところまで単純化してください.
  • 「日本円は世界では使えない」
    • せめて東アジアでは使えるようになってほしいものですね.
  • 「輸出が多いとは知っていたが,外国にお金を貸しているとは知らなかった」
    • およそ表裏一体の関係にあることです.
  • 「株で一番大きな会社ってどこですか?」
  • 「GDPの「中間投入451兆円」とはどういうお金か?」「中間投入とは?」
    • 講義中の例で言うと,粘土50万円,に相当します.
    • それそのものを消費するわけではなく,消費する財(最終財)を作るために使われるものを中間投入財と呼びます.
  • 「GDPが増えることの利点って?」
    • 所得が増えて豊かな消費生活が営めるようになることでは. 
    • GDPが何であって何でないかを考えるとよいかもしれません(たとえばGDPそのものは格差や地下経済や環境の質などは計っていない) .
  • 「GNPは中学校の頃までその言葉で倣っていただけに衝撃」
    • 中等教育はまだ20年以上前の世界なんですねぇ.
  • 「他の講義で習った」「復習になった」
    • 基本事項なので丁寧にやっています.
  • 「政府の取り分がもう少し少なくなればと思った」
    • 我々の取り分が増えるように税金が使われていればよいのですけどね.
  • 「国際収支統計は貿易による収支の統計をとったものか?」
    • 鋭いですね,貿易も含めた国際取引の統計です.
  • 「国民の経済活動が全部計算して表されることは非常に興味深かったしすごいことだと思った.今回学んだことを,今後の人生にいかせていければと思う」
    • 勉強した経験はなんであれ人生に活きると思いますよ.
  • 「先週は病欠でした」
    • 出席数が気になる場合,欠席届や診断書があれば提出してください.



この講義とは直接関係ないが,今期大学院向けの国際経済学ではガチの勉強をしている.先週はAnderson and van Wincoop 2003の構造グラビティと,Arkolakis他による十分統計量アプローチを学んだ.次回はMelitz 2003の予定.わりかしガチ.

そういえばMelitzってちゃんと読んだことなかったなと思って開いてみたら,院生時代の自分が細部までしっかり読んだ形跡が残っていた.どれだけ耄碌しているのだ私は…

似たような記憶は微分方程式の教科書でもあった.まったく身についていないし別段意欲を持って解く理由もないのに,練習問題を解いていった形跡が確かに残っている.恐怖さえ覚える.

継続は力なりということだろうか.どんなに努力しようとも,3年怠ればただのディレッタントである.専門知は,減耗率も高い.自分が積み重ねたという事実さえ忘れてしまう.

ノーベル賞はその遙か果ての果てにあって私には見えない.Deatonの業績にはほとんど不案内だけれど,敬意と祝福を送りたい.


Sunday, September 27, 2015

国際経済学II, 第1回, 2015

例によってこのblogでは講義の概要,アナウンス,質問・コメントへの返答などを行います.質問・コメントはいただいたものすべてには返信しませんが,ありがたくすべて読んで参考にしています.今後ともどしどしお寄せください.

講義内容
  • ガイダンス
    • 私の他の講義とおおむね同じ流れ.
    • 成績は主にペーパーテストに基づき評価する.
    • 教科書は指定しないが,教科書・本をたくさん読むこと自体は大事.講義資料はウェブで配信中
    • 内容はおおむね去年と同じ.今年は例年よりも基礎学力が心許ない人向けの配慮を拡充している.ふりがなを多めに振ってみたり,分数の計算ルールを確認してみたりという具合だ.
      • 分数やわり算は,世界を相対的に捉える操作だ.1/2も50/100も同じ.このあたりの直感をつかんでおいてほしい.為替レートも相対的なものだ.
        • 相対価格という概念は経済学ではほとんど空気のように当たり前なのだけど,他の学問,たとえば経営学ではほとんど出てこない概念のような気がする.とても不思議だ.
    • 12月25日は休講とする.
  • 東アジアと国際金融
    • アジア通貨危機は国際経済学にとってもターニング・ポイントとなった事件.
    • 失敗から学ぶことが大事.

コメントより
  • 「サブプライム危機が何かはじめて知った」 「知っていることも多かったが,裏のお金の流れなどは知らなかった」
    • 講義中に気づきましたが,サブプライム問題が表面化した頃はみなさん中学生だったんですね…昭和は遠くなりにけり.
    • 「裏のお金の流れ」はプロにもなかなか知り得ないもので,比較的最近解明されつつある最先端の話です.たとえばAzis and Shin (2015).
      • このクオリティの本が無料なのはとてもありがたい.
  • 「たくさんの危機を乗り越えても次々に危機が起こってしまうことがわかった」
    • 危機を理解することと危機を未然に防ぐことにはギャップがありますからね.病気の予防は難しくても,いざ病気になったときの治療は日々改善しているかもしれません.
  • 「貿易はすごく大切なことだと思うけど,もし世界中の国の資源を共有できたら世界の経済は平均的にうるおうことができるのかなと思った」
    • フリーライダー問題が生じて世界の経済はかえって平均的に悪化する可能性も,と思いました.
  • 「数学がとても苦手なので自前で勉強し本講義にのぞみたい」
    • 少しでも苦手を克服できるといいですね.もし講義のスピードについていけなくても,講義後にゆっくり時間をかけて考えるようにしてください.
  • 「国際的な内容を学んで少しは世の中の勉強をしていきたいです」
    • 座学もよいですが,実際に海外に出かけるのもよいですね.
  • 「前期休みが続いて自信がなかったが,ちゃんと勉強したのが成績に評価されて嬉しかった.」 
    • 深く理解していただきこちらこそ感謝しています.
  • 「前期は落としたけど後期は絶対がんばります」「後期もよろしく」
    • 前期と難易度はだいたい同じだと思います.今度こそがんばってください.
  • 「前期受講していなかったので他の人よりも努力しないといけないのでがんばりたい」
    • 前期受けていなくても,モチベーションさえあれば大丈夫だと思います.
  • 「今日はとてもおもしろい授業だったので国際経済学が改めておもしろい講義だと思った」
    • でしょー?
  • 「久しぶりの授業だったのでねむかった」
    • こらー!


夏休みが終わった現実を受け入れるのにはもう少し時間がかかりそう.

参考文献
  • Iwan J. Azis, and Hyun Song Shin, 2015, Managing Elevated Risk Global Liquidity, Capital Flows, and Macroprudential Policy—An Asian Perspective. Springer-Verlag Singapur

Monday, February 2, 2015

国際経済学II,第15回, 2014

遅くなりましたが成績評価を終えました.
  • 受験者118人,平均79.6, 中央値79, 標準偏差16.1.
  • 全体的に良好な成績だったように思う.中間試験が厳しかっただけに一安心.
  • なお,欠席数が6回以上,中間または期末を欠席,などの場合不可にしている.

これでようやく春休みです.しかし大学教員にとっては休暇ではなく繁忙期になります.私の場合研究以外の雑務に忙殺されとてもストレスの大きい時期になりそうです.今すぐ計算したいネタはあるのになかなか着手できません.悔しい.

一部解説 (追記: 役目を終えたので削除しました.)

Friday, January 9, 2015

国際経済学II,第14回, 2014

ようやくこの講義も終わりです.最適通貨圏の議論が消化できませんでしたが期末試験には出しません.また,来週はセンター試験のため休講です.

講義内容
  • 円安になると景気が良くなる,と言うはやすし.現実はそこまで単純化できない.
  • パススルー
    • 企業・産業によって,為替の変化にどう対応するかはけっこう異なる.
  • Jカーブ効果
    • 短期的な動きと長期的な動きが反対になることもある.
    • ただしJカーブがいつでもどこでもわかりやすい形で生じるわけではなく,統計的に検出するのは難しい.
      • 今日一瞬名前が出てきたFRB議長イエレンもその昔,Jカーブなんてねーよ,という論文を書いていた(Rose and Yellen 1989).
  • こうした価格・貿易収支の動きを再現できるような理論モデルを開発するのも,国際マクロの大切な仕事である.
  • 固定相場制とトリレンマ
    • 為替レートの変動,がレジュメ4以来の大きなテーマであった.ではもし動かないようにしたらどうなるの,と政策的含意を考える.
    • 金利平価が理解のポイント.国家間で裁定取引できる(資本移動できる)ときは,金利と為替の動きがリンクする. 固定相場にして世界の為替市場にくっついちゃうと,独自の金融政策は難しくなるのだ.
      • 政府(中央銀行)は通常,金利を操作することで景気をコントロールしている.詳しくはマクロの教科書を一読あれ.
      • 固定相場にすると,この景気コントロール能力を失ってしまう,ということ.
    • 国際金融の有名な命題であるだけに,様々な検証がなされている.実際,自由に資本が移動する中で,完全に外界と隔絶した金融政策を行うことは変動相場制であっても難しい.
コメントより
  • 「今日の講義で固定相場をするとその日(?その後?読めません)はどうなるの?」
    • せっかくのところすみませんが,文字が潰れて質問の意図がわかりません.
    • 為替介入のオペレーションとしては,財務大臣がやると決断して,日本銀行が実務を行う,たとえば東京外国為替市場で円や米ドルの売り買いを行う,という流れになります.
  • 「今日は,良い講義だったと思います」
    • ありがとうございます.
  • 「昔は1ドル360円だったよね? 今は変動であれ200円にすら満たないがどうして現在はそれほどまでにレートが落ちたのか?」
    • 難問ですね.私は確信を持って答えることが出来ません.
    • 一見答えになっていないような答えですが,「たまたまそうなった」という可能性がけっこうあるようにも思いました.寓話的に言うと,牧志でしたたかに酔っ払って記憶を失い翌朝目が覚めたら安里にいた,という状況があったとき,目が覚めた場所が久茂地であったとしても不思議はなく,安里にいた理由は「たまたま」としか言いようがない,という感じでしょうか.(?)
  • 「為替の企業に与える影響力がすごいということを再認識できた」「輸出先で値上げをするのはなるほどなと思った」
    • 企業がどういう理由でどういう価格戦略に出ているのかは私も気になるところです.
  • 「トリレンマのところは難しかった」
    • 時間の都合もあって,普段より話の展開が早くなってしまいました.
  • 「Jカード効果という言葉をはじめてきいた」
    • 私もです.
  • 「あけましておめでとうございます」「今年も一年よろしくお願いします」
    • おめでとうございます.よろしくお願いします.
参考文献
  • Andrew K. Rose and Janet L. Yellen (1989) Is there a J-curve?, Journal of Monetary Economics 24, 53-68.

Friday, December 26, 2014

国際経済学II, 第13回, 2014

クリスマスに限ったことではないが,プレゼントは無駄を伴う,とはWaldfogel (1993, 2005)やOffenberg (2007). 消費行動の深いところまで考えさせられるよい論文である.でもいざ贈与の研究についてAndreoni and Payne (2013) のサーベイをちらっと眺めると,この世界で研究するのは大変だと思う.

講義内容
  • 金利平価続き
    • 金利裁定を使って無限に儲けることはできない,という条件を満たす為替レートを考える.
    • 現実には数式には現れないリスクも踏まえて投資が行われているため,必ずしも数式通りに実際の為替レートが動くというわけではない.
      • クリスマス・プレゼントの話と似て,経済学のすぐれた理論には現実をよく説明するという理由ではなく,現実との乖離が無視できないほどありその残差を埋める営為に知的な喜びを保証してくれるからこそ支持されているものがある.一般均衡理論しかり,シカゴ学派しかりだ.誰もその現実的な妥当性そのものは信じても愛してもいない(にも関わらず,すべての経済学者が理論をナイーブに信じているという藁人形論法に依拠した「経済学批判」が後を絶たない).経済理論はデータで検証できてなんぼだ,と思っていた時期もあったが,最近は個人的なテイストが原点回帰しつつある.
    • かけ算・割り算ができれば,為替レートの動きが少しわかるようになる.算数は大事.
  • 為替と株の動き
    • 日本の場合,けっこう連動しているように見える.
      • ただし,因果関係は自明ではない.
    • 株価や配当については,金融論の授業や教科書で改めて勉強してほしい.配当から株価の本来あるべき水準(ファンダメンタルズ)が決まる,という議論自体は現実的な妥当性はともかくとしても標準的な話である.
次回
  • 1月9日にまたお会いしましょう.16日はセンター試験のため休講.良いお年を.
コメントより
  • 「$1\mbox{億} \div e$ドルを$\displaystyle \frac{1\mbox{億}}{e}$ドルと変形してもよいか?」
    • よいです.レジュメ1の脚注3(6ページ)も参照してください.
  • 「円安になったら必ずドル高になるのか? 互いに反比例をする,で正しいか?」「円安になればドル高ですね」
    • 1ドル = e円という式のみから「円安かつドル安」という状況を表現することは不可能です.ので,片方が安くなれば必ず片方は高くなります.為替レートはあくまでも2つの通貨間の交換「比率」であり,相対的なものなのです.
      • 1ドル = e 円,は自国通貨(日本円)で見た外国通貨(米ドル)の価格,ということで自国通貨建て(円建て)の為替レートと言います.
      • アメリカ人にとっての自国通貨建て(ドル建て)レートに直すと,e円 = 1ドル,言い換えれば1円 = (1/e)ドル,になります.(1/e)が上昇すればドル安となります.(1/e)が上昇するときには必ずeは低下,つまり円高になります.
    • しかし3国以上ある状況を考えると話は複雑になります.たとえばユーロが強くなった結果「円安ユーロ高」と「ドル安ユーロ高」が同時に起こることはあります.つまり(ユーロと比べて)円安とドル安が共存することはあります.
      • あくまで,(ドルと比べて)円安と,円と比べてドル安,は両立しないということです.
    • 要するに,りんごとみかんが両方とも安くなることはありますが,「りんごの値段÷みかんの値段」 と「みかんの値段÷りんごの値段」が同じ方向に動くことはありえないということです.
    • 「$x$と$y$が反比例」とは,「$x \times y$が一定」になることを意味します.たとえば$(1/x)$ドル$=y$円,とすると,為替レートは1ドル$=x \times y$円,と計算できます.「$x \times y$は常に一定($=1$)」なので,定義通りに反比例であると言うことはできます(少々わかりにくいですが).
  • 「プレゼントは何がどう無駄なのかもうちょっと詳しく」「ブログを最近見つけたのでそこで解説してほしい」
    • たとえば私がよかれと思ってあなたに1万円分経済学の教科書をプレゼントしたとします.これ,福沢先生1人よりもうれしいと感じるでしょうか?
      • もちろんあなたが彼女にあげたプレゼントが(もし存在するとすれば)完全に無駄である,というわけではありません.誤解なきよう.
      • 現実には情報の非対称性があるわけで,あえて無駄そうなコストをかけることが実は有益である(たとえばシグナリングになる)ことも十分ありえます.(そもそも経済学はお金で買えない人間関係も分析対象です.)
      • 無差別曲線が出てくるレベルのミクロ経済学を勉強すると,意味が通じると思います.しかし片手間のブログで解説するには厄介です.元ネタの論文は上述の通りですので,筆者の名前などで検索してみてください.
    • 現実には,現金給付のほうが本当によいかどうかは時と場合によります.これは政策的に重要な争点にもなります.たとえばBanerjee and Duflo (2011) 『貧乏人の経済学』 をご覧下さい.
  • 「円高のときにドルを日本円と交換すると儲けることが出来るのでは?」
    • そうですね,でも金利の動きにも注意しましょう.儲けるチャンスを手に入れる際にはリスクを背負っていることも忘れてはいけません.たとえば将来予想に反してさらに円高が進んでしまえば儲けるどころか損をしますね.
  • 「金利平価式で飛ばしたところがある」
    • 忘れてました.がちょっと難しい気もしますので飛ばしてもいい気がします.
    • たし算に式変形したほうがわかりやすい,とレジュメを作成した段階では思っていましたが,みなさんの計算能力だとかえって混乱を招く予感もします.
  • 「この講義はタメになるので楽しいです」
    • ありがとうございます.でも内心では役に立たないことばかり教えているんじゃないかといつもびくびくしています.
  • 「一年間ありがとうございました.来年もよろしくお願いします.」
    • よろしくお願いします.

参考文献:
  • James Andreoni and A. Abigail Payne (2013) Charitable Giving, in Handbook of Public Economics vol 5.,  eds. by Alan J. Auerbach, Raj Chetty, Martin Feldstein and Emmanuel Saez, Elsevier.
  • Abhijit Banerjee and Esther Duflo (2012) Poor Economics: A Radical Rethinking of the Way to Fight Global Poverty, PublicAffairs. 山形浩生訳『貧乏人の経済学: もういちど貧困問題を根っこから考える』みすず書房.
  • Jennifer Pate Offenberg (2007) Markets: gift cards, Journal of Economic Perspective 21, 227--238.
  • Joel Waldfogel (1993) The Deadweight Loss of Christmas, American Economic Review 83, 1328--1336.
  • Joel Waldfogel (2005) Does Consumer Irrationality Trump Consumer Sovereignty? Review of Economics and Statistics 87, 691--696.

Friday, December 19, 2014

国際経済学II, 第12回, 2014

講義内容
  • 購買力平価続き
    • 一物一価が成り立つような為替レートが,購買力平価レート.
    • 現実の為替レートは,購買力平価レートから乖離することも珍しくない.
  • 金利裁定の考え方
    • どちらで買っても同じ値段,というのが購買力平価なら,どちらに投資しても同じ収益,が金利平価.
    • 外国に投資するときは為替変動リスクがあるので,それも考慮した上で投資を行う.
      • フォーワード取引を使えば変動リスク自体は消せるので,直先スプレッドに注目することになる(カバー付き金利平価).
次回

コメントより
  • 「投資家は細かく金利を見ていてすごい」
    • 業界では「ベーシス・ポイント」という単位がよく用いられます.パーセントが0.01であるのと似て,ベーシス・ポイントは0.01%,つまり0.0001を表します.何兆円ものお金が動く世界では,このぐらい細かく見てなんぼなのでしょう.
  • 「検定の講座を開いてください」
    • 研究時間をいかに確保するかに日々苦心しているところですので,実現可能性は低いです.挑戦したい検定と熱意があれば相談には乗りますよ.
  • 「結局裁定取引はできないんかい!」
    • コンピュータープログラムを使って自動的に取引をすることができる現代において,わかりやすい裁定取引の機会は1秒以内に消滅するかと思います.
      • わかりにくい裁定取引のチャンスを見つけることができれば一人前の投資家でしょう.実際にはある程度のリスクは引き受けねばリターンは得られないわけですが.
  • 「ビッグマックの例はわかりやすかった」
    • 実際のビッグマック指数はこちらで確認できます(英文).
      • 市場が地理的に分断されているようにも見えて興味深いですね.
  • 「金利平価難しい」「説明が早い」「もう一度説明を」
  • 「金利裁定で出てきた表がよくわからなかった」
    • もし金利差があれば,裁定取引をするチャンスが生じます.表は,その具体的なやり方を示しています.
    • 購買力平価のところでやった,安いところで購入して高いところに輸出すると楽して儲かりそう,という議論と対応しています.
    • 金利が安い方でお金を借りて,それをそっくりそのまま金利が高い方に貸す(たとえば貯金する)と儲かりそう,ということです.表記が若干奇妙かもしれませんが察してください.

Wednesday, December 17, 2014

国際経済学II, 第11回, 2014

ゼミナール大会お疲れさまでした.私のゼミは,skill-biased technological changeの実証,および輸出のextensive marginの事例研究,の二本立てで報告しました.勉強しました,ではなく研究しました,という数少ない報告だったのではないでしょうか.どちらも沖縄経済に対して重要な含意を持つ研究になったと思います.

講義内容
  • 購買力平価
    • $e = P / P^*$, で為替レートの理論値が計算できる.
    • これは貿易による裁定取引がこれ以上できない,という条件に相当する.

コメントより
  • 「最近インベスターZという本を読んだが,講義で習った言葉が出てくるのでとてもためになっている」
    • 私は未読ですが,お役に立てて光栄です.
  • 「以前実験するといっていたけどやるの?」
    • 忘れていました.準備が間に合いそうにないので次週はやりません.
  • 「テストで携帯の計算機使ってもよいか?」
    • カンニングと見分けが付かないため,携帯電話の使用は認めません.もし計算問題を出すとしても,2や5や10など,電卓がなくても計算しやすい数字に限定します.
  • 「購買力平価がわかった」「購買力平価の説明がわかりやすかった」「購買力平価は難しかった」「計算は苦手ではないんだけど難しかった」「例がほしい」
    • 購買力平価は深く考えるとけっこう難しい理論だなと感じています.

先月に引き続き,ロシアが揺れている.今後の政策対応やそれを織り込んだ投機,および波及効果が気になるところ.国際金融の講義まっただ中にこういった危機的局面が発生するとは.
ルーブル/円(左軸)と短期金利(右軸)の推移.出典: Oanda.com, Central Bank of Russia.

Saturday, December 6, 2014

国際経済学II, 第10回, 2014

低血圧には朝起きるのが大変な季節がやってきました.

講義内容
  • 為替レートの換算補足
    • 方程式を使いこなそう.
  • 国際金融システムの歴史
    • 金本位制→ブレトン・ウッズ体制→変動相場制,という大きな流れを押さえよう.
    • 二度の大戦への反省を踏まえ,ヨーロッパでは経済面での統合が進んでいる.しかし必ずしもサクセス・ストーリーというわけではない.
次週
  • レジュメ5,為替の理論に入る.若干数学が登場するので心の準備を.

コメントより
  • 「世界共通の通貨にしたときのメリットとデメリットは?」「アジアなどで通貨を共通にしてしまえばとても便利だと感じた」
    • メリット・デメリットの両面を考えるという経済学的思考が身についている学生が複数いてとてもハッピーです.
    • まさに最適通貨圏という議論があります.この講義でも時間があれば紹介する予定です.(昨年度はやりましたが今年度はスケジュール的にギリギリです.)
    • 東アジアや東南アジアで共通通貨を導入する議論もありますが,私が生きている間に実現するかどうかはやや疑問です.
  • 「ニクソンはなぜBWをやめたのか?」
    • 「金1オンス=35ドル」と法的に為替レートが定められていましたが,この為替レートが本来あるべき水準である保証はありませんね.
      • たとえば本来はドルは「1オンス=70ドル」分の価値しかないなら,ドルを売って金と交換しようとするでしょう.が,こうした交換に応じられるだけのゴールドをアメリカ政府が用意するのは簡単ではありません.
  • 「めまぐるしい流れでおもしろかった.また新しい為替レートの仕組みができるのではないか」 
    • そうですね,金融市場や資本市場の変化とともに,外国為替市場にも変化が続くのではないでしょうか.
  • 「金本位制の意味がまだ分からない」
    • レジュメ4の脚注10もお読みください.我々が普段使っているお札は冷静に眺めるとただの紙切れでしかありませんが,なぜ価値があるのでしょうか? かつては,お札は金(ゴールド)と交換できるという保証があったからこそ価値を持ちました.
  • 「歴史の中で為替レートがどうなっているのかと思ったけど,意外と難しかった」
    • 情報量は多いかもしれませんが,一般教養として知っておくべきことに絞って話をしているつもりです.20世紀の歴史は1時間で振り返れるほど単純ではありません.
  • 「円高・円安がよく分からないので簡単に説明してほしい」 
    • 次週改めて補足します.為替レートが交換比率であることをしっかりと理解してください.レジュメを読み込むか,ネットで検索して自分なりに勉強してください.
  • 「ローマ字と片仮名が多すぎ」「いろいろな言葉が出てきたのでしっかり整理しておきたい」 
    • レジュメ1で予告してありますが,カタカナ語は頻発します.経済学自体がグローバルな学問領域なのです.
  • 「イギリスはポンドで,EU加盟国と間違えそうになった」
    •  イギリスはEU加盟国です.加盟国だがユーロは使っていない,というポジションです.大陸側の独仏とはやや距離があるからでしょうか.
  • 「半分世界史を受けているような感じ」
    • 経済学を一定以上理解している人から世界史・日本史の授業を受けてみたかったです.
  • 「歴史を細かくやってくれたのでわかりやすかった」
    • 本学に経済史のプロがいないのが悲しいところですね.

Tuesday, December 2, 2014

国際経済学II, 第9回, 2014

 講義内容
  • 為替レートを読む
    • かけ算・割り算が自在にできないとちょっとキツイかも.
  • 為替リスクに対処する
    • フォーワード取引で今のうちにレートを確定させておくことができる.
    • 為替マリーで,純資産の変動を相殺することができる.
  • 為替制度の歴史
    • 金本位→固定→変動,という大きな流れを押さえよう.
次回
  • 制度史の話が終わったら,レジュメ5(為替理論編)に入ります.

アンケートについて
  • ご協力ありがとうございました.回答者82人のうち,60人が練習問題を解き,期末でもほしい,とのこと.
    • 解いてないけどほしい,という人のロジックが気になる.
    • もう少し試験を練習問題に近づけてほしい,という要望もあった.今のところ,練習問題はやや難しく,本番はそれを理解していれば簡単,という設定を狙っている.
  • 経済学を効率よくマスターするには,本を読んだり話を聞いたりするだけではなく,実際に紙とペンを使う必要があると思う.
    • 私自身も練習問題を解くことがある.たとえば最近では,以下のようなシミュレーションを走らせるプログラミング技術を身につけた.(MathematicaでもRBCは計算できる.やる必要はないのだが.)


Wednesday, November 26, 2014

国際経済学II, 第8回, 2014

中間試験お疲れさまでした.やっと採点が終わったので結果と簡単な解説をします.
試験では主に,私の話を聞いてある程度理解しているかどうか,レジュメを読む知的体力があるかどうか,を問うています.経済学の専門的な知識より先に,勉強をするための基本的な学習習慣や,ペーパーテストを突破するためのマナーを身につけましょう.
  • 受験者127人,平均70.08,中央値69,標準偏差13.35.
    • 中央値が可(69点)なので,受験者の半分はC以下の評定になる計算.全体的に厳しかったようです.平均はあと15点ぐらい高いと思っていました.
    • 素点では60点に満たない評価Fが23人います.期末で挽回しましょう.
  • 得点分布は以下の通り:

  • 今回は学年が高い人ほど顕著に高成績を収めた模様.4年生は精鋭ばかりなようです.
  • 女子ダミーがマイナスで10%有意でした.女性に優しくをモットーに生きてはいるんですが…
以下ごく簡単に解説を行います.(追記: 役目を終えたので削除しました.)


練習問題は作っても効果が乏しいようなので期末では作らない予定.

世界を認知するための知的フレームワークを根本的な部分で学生と共有できていない.このギャップを埋めるのは容易ではない.レジュメ自体をもう少し読みやすくするべきなのだろうけど.

Saturday, November 15, 2014

国際経済学II, 第7回, 2014

講義内容
  • 経常収支とSNA
    • 貯蓄と投資と経常収支の恒等関係を頭に入れておきたい.
  • 為替市場の概要
    • 世界中の様々なプレイヤーたちがとんでもない規模と頻度で24時間取引している.
    • 取引の中心になる基軸通貨として,現代は米ドルが使われている.
    • 為替レートが変動するようになったのは比較的最近の話.ロシアなんてほんの数日前に管理フロート制に移行したところ.
      • ロシアでは制度変更以前からルーブル安が顕著であったようだ(下図).金利を上げても為替が減価している.10月末に日銀の追加緩和で若干円安に振れているものの….他の新興国通貨と比べても最近は少し変だった.原油価格が急降下してることもあるのだろう.
ルーブル/円(左軸)と短期金利(右軸)の推移.点線(11月10日)に変動相場に移行のアナウンス. 出典: Oanda.com, Central Bank of Russia.

次回
  • これまでのおさらいと中間試験を予定.昨年度の焼き直しではあるが練習問題も作成してある.少なくともレジュメを一度は読み返そう.試験範囲は今週講義でカバーした分まで.

コメントより
  • 「貯蓄の定義になるほどと思った」
    • フローとストックがつながる要所になります.
  • 「いまさら円安のことを知った」「FXは難しい」「為替で稼げたらいいのに」
    • 安定して勝つのは難しいですが,本講義を通じて,理解できる範囲が増えるといいですね.
  • 「株とかやってみたいけどリスクが高いと思う.知識もないから一瞬でお金をなくしそう」「少し興味はありましたが頭が悪いのでやめときます」
    • 統計学抜きのギャンブルは推奨しません.ただスリルは半端じゃないです.
  • 「予測は困難なんだ」
    • もし予測できれば大もうけできますからね.
  • 「経常収支の計算がややこしい」
    • たしかに.
  • 「安倍さんが総理になって急に円安になった理由を具体的に知りたい」
    • レジュメ5で学ぶ予定です.
    • 市場参加者はいつも,経済が今後どうなるかを気にしながら投資しています.今後どうなるか,という予想の部分が大きく変わったのは確かでしょうね.
  • 「講義の中でグラフの読み取りが難しくて理解できない.どうやったらできるか?」
    • レジュメで登場するグラフのほとんどは時系列データを折れ線グラフにしたものです.
    • 読み解くときに最低限注意すべきことを挙げます:
      • 軸が何を表しているのかを確認する.(たとえば横軸が時間になっていて,縦軸がGDPになっている,など)
      • データの大まかな傾向を押さえる.たとえば「右上がり」なのか,「横ばいで一定」なのか,「右下がり」なのか,を確認しましょう.その上で,それがどういう意味なのかレジュメの記述を参考にしながら考えてみましょう.
    • ネットでより丁寧な解説を探すのもよいと思います.たとえば少し検索すると,Youtubeに「うちべん.NET 小学4年生 算数 折れ線グラフ」などの動画が見つかりました.類似の動画もたくさんあるようです.それらを見てもよくわからなければ,紙とペンを用意して自分で何らかの折れ線グラフを作ってみるとよいでしょう.
  • 「復習して試験がんばります」「用意してくれた練習問題解きます」
    • がんばってください.私も作問がんばります.

Saturday, November 8, 2014

国際経済学II, 第6回, 2014

今までで一番力を入れてきた論文の採択が決定した.学究的な活動はややもすれば孤独なものになってしまうが,共著者や査読者はもちろんのこと,様々な人に様々な形でサポートしてもらってはじめて論文は形になるのだと改めて感じる.苦戦の末とても美しい論文に仕上がったと思う.ぜひ読んで引用を.

講義内容
  • 国際収支統計
    • 恒等関係が成り立つのは,一つの取引をダブルで記帳しているから.
    • 金融収支は,貸し借りの国際的な流れを押さえるうえで有益な情報を提供してくれる.
    • 中東に対する経常赤字がすさまじいですねぇ.
  • レジュメに何カ所か誤植があったので,訂正:
    • p. 5. 下から2段落目: 「政府は解きに」 →  「政府は時に」
    • p. 8. 表2の真下: 「誤差脱漏(41,217)」 → 「誤差脱漏(-41,217)」
次週
  • 期末試験は再来週21日を予定.練習問題は余力があれば作成予定.
  • 次回はレジュメ4に入る予定.外国為替をめぐる基礎知識を学ぶ.

コメントより
  • 「株式はお金扱いになるんですか?」
    • お金と同じく金融資産の一つではありますが,狭い意味でのお金(現金や預金)ではありません.株式には現金のようなお金と違って,残余財産分配請求権や利益配当請求権といった権利が付いています.
    • 国際収支統計では, お金(現金や預金)は株式ではなく債券の仲間扱いされています.
  • 「海外の株も買えるとは知らなかった」
    • 今週は買っていたほうがよかったですね.ただ,為替リスクも理解してから投資したほうがよいでしょう.
  • 「難しい」(他多数)
    • 簿記や統計データが苦手で,あまり説明が良くなかった気もしています.
  • 「理解できないほどではない」「説明を聞けばわかった」
    • 覚えてしまえば単純ですが,なかなか自分のモノにするまでには時間がかかるかもしれません.
  • 「簿記をしているみたいな感じ」
    • 簿記みたいなものです.しかし悲しいことに簿記と違って即戦力にはなりません.

Tuesday, October 28, 2014

国際経済学II, 第5回, 2014

講義内容
  • GDPの実際
    • GDPの関連指標もいろいろ.詳しい定義はマクロの教科書などをご覧あれ.内閣府ウェブサイトにも解説がある(「SNA体系の概要」を参照).
  • 国際収支表の見方
    • 統計の取り方が近年新しくなった.古い体系のまま教える教科書も多いので注意.
      • 古い方で覚えている私も混乱しやすい. がfinancial accountの符号が従来のcapital accountと逆になったのはかえってわかりやすくなった気がする.
    • 理解したいポイントは,経常収支と金融収支の定義と関係.
    • 国際収支のデータを見ることで,国際政治の動きも少し見えてくるかもしれない.
    • 国際収支の動きは地元の新聞にも毎月記事が載る.たとえば琉球新報「国際収支、2カ月連続で経常黒字 8月は2871億円」.しかしこういう数字を理解している県民はどれだけいるのだろう…

次週
  • 大学祭のため31日は休講である.オフィスアワーもなし.
  • 11月7日はレジュメ3のつづき(国際収支のダブルエントリー,国民所得勘定との接続)を学ぶ.レジュメ4もそろそろ用意しておくとよいと思う.

コメントより
  • 「経常収支=金融収支はたしかにそういう関係にあると思った」
    • 鋭い直感ですね.
  • 「経常収支=金融収支と言っていたけど,式のとき,答えは違ってくるのでは?」
    • 質問の意図がよくわかりません.
    • これは恒等式です.いつ何時でも必ず成り立つように定義されています.1+2=3みたいなもので,誰がどう見ても正しいとしか言いようがない式です.
    • ただし実際には統計データを作成するときの資料が不完全であるなど様々なミスがあります.ので,誤差脱漏という項目を含めます.
      • 誤差脱漏と資本収支が無視できないほど大きければ,経常収支=金融収支と単純化することは間違いです.実際2012年は誤差が大きいように思います.
  • 「黒字なのに資金が流出するというのは言葉のイメージと違っていておもしろい」「黒字なのになんでお金がでていくんだろうと思った」
    • 私も間違いやすいところです.
    • 国際収支統計が改定される前は,資金が流出することを「赤字」と表現していました.こちらの方式では「外国に対して負う借金が増えると黒字」となり,これはこれでわかりにくいと思います.
  • 「新しい用語が登場し,少し理解に苦しんだ.ちゃんと説明を聞き逃さずついていきたい」「覚えることがたくさんあって大変」「久しぶりに頭を使ったなと思うぐらいいろんな言葉が出てきたなと感じた」「少し難しい」
    • 初見ではわかりにくいと思います.私にとってもSNAの用語は堅苦しく記憶に残りにくいです.用語そのものよりも,その概念を掴んでほしいです.
    • 今やっているのは経済学というより,経済学で使う統計指標の勉強です.レジュメ4以降の議論でもたびたび登場しますので,その都度確認すればよいと思います.
  • 「GDPのグラフを理解するのが難しかった」
    • どこでどうつまづいているのかわからないのですが,「実質 = 名目 ÷ 物価」の式に戻って考え直してください.時系列グラフの読解自体はレジュメ1で簡単に説明してあります.無理っぽければ直接質問してください.

Saturday, October 18, 2014

国際経済学II, 第4回, 2014

講義内容
  • GDPとは
    • 生産 = 所得 = 支出,が常に成り立つように定義されている.
    • GNIは,外国で稼いでくる分も加味した概念.

次週
  • レジュメ3に入る.ダウンロードして準備するように.なお現時点ではレジュメ4までアップロード済みである.
  • 仕事のため,来週はオフィスアワーはありません.ご了解ください.(授業は通常通り行います.)

コメントより
  • 「ぶどう(中間財),ワイン(最終財)は成立するか?」
    • よい例だと思います.
    • ただし,ぶどうは最終財としても使われます.ぶどうに限らず,現実には中間財・最終財という区分でくっきり分別しにくいものがいくつもあります.
      • ちなみに私は無類のぶどう好きです.ぶどうとなら結婚できる.
  • 「GDPの意味がわかった」「GDPの説明がわかりやすい」「高校でやったよりさらに細かく知ることが出来た」 
    • GDPとは何かを自分の言葉でも説明できるようになってください.
  • 「三面等価の意味がわかった」
    • マクロの中でも際だって重要な考え方ですのでマスターしてください.
  • 「生産や供給というワードは大学でよく聞くようになったので覚えたい」
    • 需要と供給という考え方は,万能ではありませんが極めて強力です.覚えるというより,自分の思考回路の一部になるまで使いこなしてください.
  • 「計算が多くて難しかった」「だんだん難しくなってる」
    • 数式を使って何かを定義する,ということは他の文系科目にはあまり見られないので,戸惑うのは無理もないと思います.
    • 「まとも」なマクロ経済学を学ぶ上で避けられないものであるとして観念してください.
    • 計算といっても,今日は足し算($+$)と引き算($-$)と等号($=$)しか使ってません.落ち着いて考えてください.
    • 今後の講義はより高度な内容になっていきます.今やっているのはマクロの入り口に過ぎません.この講義は野心的にも,もっと深い世界まで潜り込みます.
  • 「テストで計算問題って出るの?」
    • 出しませんと何度もアナウンスしています.みなさんの計算能力を伸ばすことはこの講義の目的ではありません.
    • 数学の基本的なルールを理解していないと解けない問題は出すかもしれません.そうした問題が解けなくても単位が取れないわけではないと思います.