Saturday, December 6, 2014

国際経済学II, 第10回, 2014

低血圧には朝起きるのが大変な季節がやってきました.

講義内容
  • 為替レートの換算補足
    • 方程式を使いこなそう.
  • 国際金融システムの歴史
    • 金本位制→ブレトン・ウッズ体制→変動相場制,という大きな流れを押さえよう.
    • 二度の大戦への反省を踏まえ,ヨーロッパでは経済面での統合が進んでいる.しかし必ずしもサクセス・ストーリーというわけではない.
次週
  • レジュメ5,為替の理論に入る.若干数学が登場するので心の準備を.

コメントより
  • 「世界共通の通貨にしたときのメリットとデメリットは?」「アジアなどで通貨を共通にしてしまえばとても便利だと感じた」
    • メリット・デメリットの両面を考えるという経済学的思考が身についている学生が複数いてとてもハッピーです.
    • まさに最適通貨圏という議論があります.この講義でも時間があれば紹介する予定です.(昨年度はやりましたが今年度はスケジュール的にギリギリです.)
    • 東アジアや東南アジアで共通通貨を導入する議論もありますが,私が生きている間に実現するかどうかはやや疑問です.
  • 「ニクソンはなぜBWをやめたのか?」
    • 「金1オンス=35ドル」と法的に為替レートが定められていましたが,この為替レートが本来あるべき水準である保証はありませんね.
      • たとえば本来はドルは「1オンス=70ドル」分の価値しかないなら,ドルを売って金と交換しようとするでしょう.が,こうした交換に応じられるだけのゴールドをアメリカ政府が用意するのは簡単ではありません.
  • 「めまぐるしい流れでおもしろかった.また新しい為替レートの仕組みができるのではないか」 
    • そうですね,金融市場や資本市場の変化とともに,外国為替市場にも変化が続くのではないでしょうか.
  • 「金本位制の意味がまだ分からない」
    • レジュメ4の脚注10もお読みください.我々が普段使っているお札は冷静に眺めるとただの紙切れでしかありませんが,なぜ価値があるのでしょうか? かつては,お札は金(ゴールド)と交換できるという保証があったからこそ価値を持ちました.
  • 「歴史の中で為替レートがどうなっているのかと思ったけど,意外と難しかった」
    • 情報量は多いかもしれませんが,一般教養として知っておくべきことに絞って話をしているつもりです.20世紀の歴史は1時間で振り返れるほど単純ではありません.
  • 「円高・円安がよく分からないので簡単に説明してほしい」 
    • 次週改めて補足します.為替レートが交換比率であることをしっかりと理解してください.レジュメを読み込むか,ネットで検索して自分なりに勉強してください.
  • 「ローマ字と片仮名が多すぎ」「いろいろな言葉が出てきたのでしっかり整理しておきたい」 
    • レジュメ1で予告してありますが,カタカナ語は頻発します.経済学自体がグローバルな学問領域なのです.
  • 「イギリスはポンドで,EU加盟国と間違えそうになった」
    •  イギリスはEU加盟国です.加盟国だがユーロは使っていない,というポジションです.大陸側の独仏とはやや距離があるからでしょうか.
  • 「半分世界史を受けているような感じ」
    • 経済学を一定以上理解している人から世界史・日本史の授業を受けてみたかったです.
  • 「歴史を細かくやってくれたのでわかりやすかった」
    • 本学に経済史のプロがいないのが悲しいところですね.

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