Wednesday, October 30, 2013

経済政策II, 第5回

講義内容:
  • 国民所得勘定
    • 生産,分配,支出,という3つの視点で経済活動を捉える.
    • 三面等価はマクロ経済学における最重要概念である.
  • 日本の財政
    • 財政の持続可能性については財政学者を中心に様々な研究が蓄積されている.
      • 講義中に紹介した論文はArai and Ueda (forthcoming)である.選挙で「経済成長すれば増税しなくても大丈夫」など主張する政治家は多いが,楽観的に過ぎるのかもしれない.
      • 他の研究に当たる場合,内閣府の「バブル/デフレ期の日本経済と経済政策」に収録の加藤 (2009)の図1-6などを参考に探すといい.
      • 20年以上前から研究者が破綻を警告してきたことは,(1) 研究者は嘘つきだ,と解釈することもできるかもしれない.しかしたとえば10年後に実際に破綻したとき,(2) 経済学は30年後の未来を予測できるんだ,と解釈できる日が来るかもしれない.
      • いずれにせよ我々は将来について深刻な不確実性を抱えている.

次回:
  • 財政の話

コメントより:
  • 「数式がたくさんでてきて難しい」
    • 足し算やかけ算を駆使して物事を定義する,というのはたしかに経済学で初めて目にするアプローチかもしれません.慣れるまではかなり苦痛かも…
    • ただ,数学的な表現を活用することは,システマティックに物事を整理し理解する上で現在人類に利用可能な中で最良の手段だと思います.いきなりすべてを理解することは難しいかもしれませんが,なんとか食らいついていくうちに思考能力はかなり向上するはずです.

参考文献:
  • Real Arai and Junji Ueda (forthcoming) A Numerical Evaluation of the Sustainable Size of the Primary Deficit in Japan, Journal of the Japanese and International Economies.

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