Wednesday, December 11, 2013

経済政策II, 第11回

講義内容:
  • 労働市場:
    • 名目賃金の調整が十分ではないような短期的世界においては,物価が雇用に影響してくる.
    • 学歴間・学歴内の相克については,様々な研究がある.講義ではAlbrecht and Vroman (2002) を下敷きにした話を扱った.過剰教育については膨大な研究があるが,最近のサーベイだとLeuven and Oosterbeek (2011)がある.
    • 労働市場をシンプルな需要と供給のモデルで分析するには限界もある.仕事はあるのに失業が生じる,という現象も踏まえた分析ができるように,労働経済学では素朴な需要と供給だけでは見えない世界にもメスを入れている.
  • フィリップス曲線:
    • 政策運営をするにあたって,通常は失業とインフレにトレードオフがあると考えられている.
    • フィリップス曲線の探究とともにマクロ経済学は発展してきた.
次回:
  • レジュメ6まで用意しておいてください.
  • レジュメ7は作成中です.冬休み中にアップロード予定.

参考文献:
  • James Albrecht and Susan Vroman (2002) A Matching Model with Endogenous Skill Requirements, International Economic Review 43, 283-305. 
  • Edwin Leuven and Hessel Oosterbeek (2011) Overeducation and Mismatch in the Labor Market, in Handbook of the Economics of Education vol.4, eds. Hanushek, Machin and Woessmann, North Holland.

コメントより:
  • 「摩擦的・構造的失業は他で習ったのでとてもわかりやすかった」
    • 学んだ知識を活かせる機会があるとうれしいですね.
  • 「失業は本人だけの問題じゃない」
    • ので政府や中央銀行も失業問題には注意を払っています.沖縄県知事も,失業率を全国並みに下げよう,と公約に掲げていましたね.
  • 「あついのかさむいのかわかりませんね」
    • 年の瀬なのに窓全開だとは思いませんでしたね.

テキストなどについて雑感:
  • その昔後輩にあげた加藤 (2006) を再度入手せねば.DeJong and Dave (2011)を片手間に読むのは重たい.
  • 学部向け種本だとBall (2011)がよい感触.なんで和訳がないんだろう?
  • 今後の講義ではIS-LMやら期待やらオイラー方程式やらを大胆にすっ飛ばしてフィリップス曲線とテイラー・ルールを(触りだけ)教える予定.IS-MPについては,最近改訂されたD. Romerのノート(テキストではなく)がとてもよさそうだが,読む暇がない.
  • 金融政策は個人的関心から離れてしまうので学問的良心に悖るしつらい.

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