Friday, May 17, 2013

ピーマン市場のダイナミクス

講義でピーマン市場の動向を眺めてみた.
ピーマンの卸売数量(t)と卸売価格(1kg). 出典: 農林水産省「青果物卸売市場調査報告」

 この図は「見せかけの相関」を表しているに過ぎない可能性もある.実際,ピーマンのデータでは数量も価格も「単位根 (unit root)」と呼ばれる性質を持ち,上のように直線を当てはめてどうこう論じるのは本当はキケンである.
 とはいえ,一次関数が教科書の中だけの存在でないとか,部分均衡は世の中の動きを見る有用なテクニックになりそうだとか,そういったことをひとまずは感じ取って欲しい.



レジュメでは2004年までのデータしか扱っていなかったが,先ほど農水省のサイトを調べたら2011年までデータを補充することができた.もののついでに,
  1. 2004年までのデータから7年後までを予測したもの(紫の点線)と,
  2. 実際の推移(黒い実線)
を比較してみた.(真剣な予測ではなく私のエクササイズにすぎない.)
VAR(1)による数量の予測(点線)と実際(実線).

VAR(1)による価格の予測(点線)と実際(実線).

 実際には予想よりも数量が大きく落ち込み,その一方で価格が上昇している.2000年代を通じて供給が急速に引き締まっているようである.原油価格上昇の影響なのだろうか.

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