Saturday, November 30, 2013

国際経済学II, 第9回

中間試験お疲れさまでした.以下,結果の概要と,間違いの多かった設問について簡単な解説を行います.

13年11月家計調査

先月の記事: 13年10月家計調査

家計調査(9, 10月分)を眺める.しかしこれまでと違い,2000年1月までさかのぼったデータを用いている.

 消費支出は停滞ぎみだが前年よりはよい.実質でも那覇市でも同様.
沖縄県の名目消費支出(対数). 青線: HP-filterのトレンド, 黒太線: DECOMPでの季節調整値, 灰色: 原系列. 出典: 沖縄県「家計調査」.

 前年同期比では9月は10%程度, 10月は3%程度増加している.
名目消費支出のy-o-y成長率 (単位: %). 青線: HP-filterのトレンド, 黒太線: DECOMPでの季節調整値, 灰色: 原系列. 出典: 沖縄県「家計調査」.

  • 9月, 10月分について:
    • 9月の消費支出は好調であったが,生活が豊かになったというわけではなさそうだ.
    • 好調の主要因は,住宅の「設備修繕・維持」という項目が突出して伸びていたことだろう.「設備修繕・維持」を除くと,マイルドな増加にとどまる.
      • 今年は夏に台風が少なく,10月に台風が多かった珍しい気候であった.10月の「設備修繕・維持」は平常通りの水準に戻っている.台風ではなく単に外れ値だったのかもしれない.
    • 生鮮食品の物価が上がっていることもあり,食料支出は名目と実質で景色が異なる.(名目支出は増えているが実質はほどほど)
    • VAT増税確定が10月1日であったが,10月に耐久消費財の消費が急に増えた跡は見られない.
      • 年末の動向がいまいちだと厳しそう.
  • 新たに増やした2005年以前のデータについて:
    • これまでは谷底からスタートしたデータであった.0年代前半はすさまじい勢いで消費が縮小していた様子である.
    • 0年代を通じて,少子高齢化が目覚ましい.
      • 18再未満人員は減り,65歳以上人員は増えてきている.
      • 世帯主の年齢も,2000年平均で50.3歳だったものが,直近1年では54.6歳(那覇市では57.2歳)に高齢化している.
      • 論文を念頭に置いて分析する場合,demographicな移り変わりも無視できなさそうだ.

可処分所得は今年に入ってから芳しくないまま.貯蓄を取り崩しにかかっている.
二人以上の世帯のうち勤労者世帯の名目可処分所得(対数), 沖縄県. 青線: HP-filterのトレンド, 黒太線: DECOMPでの季節調整値, 灰色: 原系列. 出典: 総務省「家計調査」.

雇用(建設と介護が中心か)は回復しているけど生産と消費は弱いまま,というところ.毎勤の賃金もさえないし,雇用以外はいったんピークアウトか.円安は残っているが,観光もそろそろシーズンオフ.マクロ政策にもそろそろ転換点がやってきそうなムード.来年春頃までは順調かと思っていたが,少し悲観的になってきた(採点に疲れているせいかもしれない).

Wednesday, November 27, 2013

経済政策II, 第9回

中間試験お疲れさまでした.以下,結果の概要と,間違いの多かった設問について簡単な解説を行います.

Saturday, November 23, 2013

国際経済学II, 第8回

講義内容:
  • 為替レートの基礎知識
    • 為替レートは円の価値というより米ドル(外国通貨)の価値を表していると考えると混乱が少ないかもしれない.
      • より正確には,円で測った米ドルの相対的な価値,である.円と米ドルの交換比率,換金レート,というイメージ.
    • 「円安」「円高」などの表現は,頭ではわかってはいてもなかなか馴染みにくいものがあるかもしれない.惑わされないようにしよう.
  • 為替の予測不可能性
    • 変動が大きいだけでなく,いつどこに向かっていくか分からない.今までどう動いてきたか,という過去の流れは,将来どう動いていくかとほとんど関係がない.「波」や「流れ」が読めるとのたまうタイプのデイトレーダーは勉強不足の勘違い野郎である.
      • カオスすぎて経済学が歯が立たない,というわけではない.Engel and West (2005)のように,ある種の理論値が存在すればこそ,ランダムウォークのような振る舞いになるのかもしれない.次のレジュメでは,為替の理論を簡単に紹介する予定.
    • 外貨を持っているとそれだけ為替リスクに晒されることになる.先物取引や資産構成の調整を通じて,リスクに対処する必要がある.
次回:
  • 中間試験を予定.黒か青のボールペンで記述していただけると助かります.
参考文献:
  •  Charles Engel and Kenneth D. West (2005) Exchange Rates and Fundamentals, Journal of Political Economy 113, 485-517.

Thursday, November 21, 2013

学問と社会

恐ろしいことに,学問と社会というタイトルのオムニバス講義で一席ぶってきた.私の研究に対するスタンスが"beyond dilettantism"という言葉に集約されることもあってか,素人の素朴な直感や常識や信念をバッサリ否定するような調子になってしまった.

実は,専門家なら知っているが,素人はよく知らないものがある.素人が想定している以上に,専門家は物事をよく知らないということだ.専門家の知見が及ぶ範囲には限界がある.

Wednesday, November 20, 2013

経済政策II, 第8回

講義内容:
  • 労働市場の実態
    • 完全失業率の定義
      • 「失業率」といったときには通常,完全失業率のことを指す.
      • 完全失業率は名前に反して「完全な指標」というわけではない.働き方,生き方が多様化している中,時代の流れに対応した新たな指標も必要かもしれない.
    • フリーターやニートといった近年の若年労働者の問題は,失業率だけでは見えてこない.
    • 労働時間の変化も重要
      • 法律を変えるだけでは,政府の思い通りにならないことが多い.
  • 労働市場のモデル
    • 需要と供給の両面を考えていく.
    • 時間の都合上,供給曲線を垂直に描いている.右上がりにしてもかまわない.
次回:
  • 講義前半は普通に授業を進める.
  • 後半は中間試験を行う.短めの論述問題も出す予定.復習する,練習問題を解く,などしてとにかく頭を動かしておこう.
  • 言い忘れたが,テストはなるべく黒か青のボールペンで記入するように.シャーペンはなるべく使わないでほしい.
 コメントより:
  • 「法律改正でバブルが崩壊したようにも見える」
    • とてもいいポイントを突いてます.これまでの話のつながりが見えてくるようになったかもしれませんよ.
    • バブルの崩壊は,株価の下落が90年,地価の下落が91年頃から始まっています.崩壊のきっかけが何なのかは諸説あります.というのも,法律改正以外にもバブル崩壊のきっかけになりそうな事件がいくつも起こっているからです.
      • たとえば,リクルート事件,湾岸戦争,自民党敗北,といった政治的混乱もありました.また,89年には日銀が利上げするなど,金融政策の転換もありました.
      • 法律改正についても,土地基本法改正(89年)のように,より土地バブルと密接な関係がありそうなものが変わっています.
      • 結局どれが本当の原因か,は実際のデータと格闘して白黒付けることになります.が原因を特定することは最新の統計テクニックを使ってでさえもそう簡単にはいきません.
    • ちょうど明日(21日)の5限に「学問と社会」というオムニバス講義で,相関関係と因果関係の話をじっくりする予定です.ヒマがあればどうぞ.(宣伝)
  • 「すべての会社が法律を守っているわけではない.とても難しい問題だと思う」
    • 法律さえ整備すれば世の中うまくいく,というわけではないですね.個人のモラルに問題があるケースもありますが,法律の設計自体に欠陥があるケースも往々にしてあります.
    • 経済学者にはそういう事例を好む人が少なからずいて,法学者とよく敵対関係に陥るようです.
    • ちょうど明日(21日)の5限に同じ話をする予定です(再び宣伝).
  • 「ボールペンがつかなくなった」
    • テスト中にはそうならないように注意してください.

Friday, November 15, 2013

国際経済学II, 第7回

講義内容:
  • 国際収支
    • 貿易で稼ぐ,といってもその具体的な意味はなかなか解釈が難しい.
    • 国際収支統計は国民所得勘定と密接につながっている. 
      • 経常収支 = S - I.
      • 定義式を変形し解釈し直すことで,貿易と金融のマクロ的なつながりが見えてくる.
    • 経常収支は基本的には貿易・サービスの流れを捉えている.が日本や沖縄といった現実社会のことを考える際には所得収支の動向も無視できない.
  • 為替レート
    • 為替手形という金融取引上のアイテムを通じて,通貨の取引決済を行っている.
    • リスクは乗っかるものじゃなくて回避するもの.
    • ノーベル賞を取るような人たち(Robert C. MertonとMyron S. Scholes)が関わってるファンドですら手痛い失敗を経験している.

次回:
  • 為替の基礎,その変動

中間試験:
  • 11月29日に予定.
  • 近日中に私のウェブサイトに練習問題をアップロードする予定.もうしばらくお待ちあれ.
    • 11月17日追記: アップしました.ご確認ください.
  • 事後的な救済は行わない.採点・成績評価は公平を期する.なるべくいい点数が取れるよう努力してください.
 コメントより:
  • 「GDPの計算より為替の話がおもしろい」
    • ですよねー.
    • とはいえ理論的な背景を押さえておくことも大切ですよ.為替の話のディープな部分に踏み込んでいく際に,経常収支 = S - Iなどの恒等関係を頭にとどめておくことは不可欠です.
  • 「為替の話はとても身近なところにあったのですぐ頭に入ってきた」
    • 珍しい経験をお持ちですね.自分の生活圏とはほど遠い世界の話はなかなか頭に入ってこないものです,学習する上ではラッキーかもしれません.

経済政策II, 第7回

講義内容:
  • 政府支出の効果を巡る議論
    • 民間から資源を奪う,というクラウディング・アウトが起こりうる.
    • 需要を生み出せば所得を生み出し,さらに需要を生み出す,という好循環を生み出すきっかけになりうる.
      • こうした理論は実際の財政出動の根拠にもなってきた.
      • いくつかの仮定からガリガリ計算していった結果,「Y = G + (定数)」というシンプルな形の結論を得た.
        • 仮定の現実味はともかくとして,こうした計算は経済学のお約束として習熟しておきたい.詳しくはマクロの教科書を参照あれ.計算過程をかなり丁寧にフォローしたため長大な計算に見えるが,仮定→式を整理,という単純なステップを踏んでいるだけである.慣れてくると1分もあれば答えにたどり着けるようになる(はず).Practice!
        • 数学を使わずに「Gを増やせばYが増える」を誤解の余地なく主張することは案外難しい.
      • 直感を掴むには,三面等価を理解しておくことが不可欠.
    • 単純に今日のGDPさえ増えればそれでいいのか,という議論はまったくもってsensibleである.政治をやりたいわけでなければ,安易に財政政策を支持することやあるいは逆に否定することは慎み,もう少し詳細に経済学を学んだほうがよい.
  • 労働市場
    • 財・サービスとは需給の立場が逆転.
    • 労働を財・サービスのごとく扱うことはいろんな意味で問題があるかもしれない.がとりあえず可能な限りシンプルなレベルで分析を行う.
    • ミクロで習うような需要と供給のモデルにまったくもって不慣れな人は,別途勉強し直すとよいかも.
次回:
  • 労働市場の実際とモデル
中間試験:
  • 11月27日に予定.
  • 私のウェブサイトに練習問題をアップロードしている.ここからそのまんま出題するわけではないが,試験対策の材料として利用しよう.
  • 事後的な救済は行わない.採点・成績評価は公平を期する.なるべくいい点数が取れるよう努力してください.
コメントより:
  • 「今の経済のやり方が100%正しいとは言えない」
    • ほとんどすべての経済政策はプラスの効果とマイナスの効果両方持っています.様々な効果に目を配りつつ,特に大切な部分に焦点を絞る,マイナス効果を負担する人を説得する,といった難しい知的労働が,経済政策を考える上で必要になります.

Sunday, November 10, 2013

内田『現代沖縄経済論』

ある方にサジェストされた本をようやく発見し,ぱらぱらと読んでみた.
  • 内田真人 (2002) 『現代沖縄経済論: 復帰30年を迎えた沖縄への提言』 沖縄タイムス社
 日銀那覇支店長(当時)が一般向けに沖縄経済を概観する書である.データや論文のリファレンスが充実しており,少なくとも私にとっては有用である.10年以上前の本だが,古びていない.それに,私とは経済観に差があって面白い.(共通する部分もあるが,それ以上にがありすぎて精読するのはいささか苦痛である.経済観だけでなくエコノメリテラシーの差も大きい.)

本書のデータを更新すれば卒論,手法を更新してもうちょっとがんばれば修論になるかもしれない.類書が少ないので,県の経済事情が気になる人は入手しておいて損はないだろう.

以下備忘録も兼ねて,その内容の一部を,私なりの言葉に翻訳しながら記しておく.


問題提起:
  • 復帰から30年,それなりにお金を使ってきた.こうしたお金の一部は政治・外交的に取ってきてたものだ.
  • しかし質の低い公共投資ばかり積み重ねており,市場メカニズムは機能不全.内地との格差は依然として大きい. 
    • (たしかに,最近の研究からも,沖縄ではpublic capitalがうまく使われていないことが推察される.cf. 宮川・川崎・枝村 2013)

沖縄経済の根本的な問題:
  1. 政府のグランドデザインに具体性がない.
  2. 3K(公共投資,観光,基地)という外需依存 → 競争・自助努力が弱い.
  3. 垂直的な政府間関係において,意思疎通が不十分.
  4. 物的・人的に閉鎖的.
    • 輸送費用が高いのは,規制も大きな原因.
  5. 人材育成がいい加減.労働市場でミスマッチ.

政府が将来のビジョンを具体的に示してくれないのが何よりまずい,と批判していることもあって,筆者自身は以下のように「具体的」なグランドデザインを提言している(ただし,沖縄に来てまだ2年なので先のことはよくわかりません,というエクスキューズもある):
  • キーワード: 
    • 観光; 情報通信; 高齢化; 環境
  • ポイント: 
    • 地理的なアドバンテージを活かしつつ経済自立のための構造改革を.
  1. 選択と集中
    • 比較優位である観光・情報通信・健康関連産業に集中投資.
    • 既存の事業は果断に廃止.
      • (市場メカニズムがうまくいってない,政府がビジョンを持って選択的に投資せよ,とはいかに)
  2. 沖縄自身の強みを活かすプロジェクトを考える
    • 他地域をそのまま模倣するのはおかしい.
    • 地域特性を活かす将来像が必要.
  3. 若年失業者を活用
    • 危機感がない若年失業者を働かせよ.情報通信などで.
  4. 具体的な戦略を立てて国際交流拠点を目指す
    • 人的・物的な交流,人材育成を促すべくハード・ソフトを整える.
    • 入域観光客数などの数値目標を立てる.
    • OISTや特区を成功させるために,まちづくりも変えていく.
    • 自由貿易地域がうまくいかない原因を分析する.
  5. ニッチに特化する
    • 沖縄ならではの事業があるはず
      • 情報通信: コールセンターやデータ保守
      • 福祉介護: あったかい
      • 建設: 護岸技術
      • 環境: 電気自動車特区をやってみては
  6. 民間金融機関の活動強化
    • 沖縄公庫強すぎ → 民間金融機能を強化せよ
    • 県民はリスク資産持たなさすぎ → 資産運用を多様化せよ

(筆者は「具体的」という言葉を多用しているが,その提言にどこまで具体性があるかはわからない.「具体的に考える必要」があるので,「具体的に考えよう」という「具体的な提案」をしている,という具合でどうにもconfusingである.
 私が具体的に提案するとしたら,まず「日銀那覇支店の持つ諸々の統計をcsvで一般公開すること」だ.)



他,財政・金融・労働・貨幣市場の話や,IT・観光の話がある.

たとえば,沖縄の失業問題を次のように分析している:
  • 失業の原因:
    1. 地元志向強すぎ
    2. 雇用創出力不足
    3. 労働人口増加.労働参加率は全国より低くさらに増えるポテンシャルあり.
    4. ミスマッチがシビア:
      1. 地域間移動が難しく,県外で就職できない
      2. 高度な技能・能力を持つ労働供給が不足
      3. 過度の公務員・教員思考
      4. 労働条件のミスマッチも.
    • 特に,Uターンで労働供給増加,が高失業の原因
      • (具体的な根拠は不明瞭.失業の原因の2/3はミスマッチ,という議論を引用しているし,何より上述の通り,労働市場の問題はミスマッチだとしていたはずだが…)
  • 対策:
    • Uターンさせない
      • (本書の中でもずば抜けてすごい理屈だ.)
別の箇所では,job separation rateだけでなくjob finding rateも高いと指摘している:
  1. 退職・転職にあまり抵抗を感じないアメリカ的な側面を持つ
  2. パート・転職が多いサービス業が主な産業構造
仕事を見つけやすいし,世帯主じゃないことも多いので失業のストレスも少ないとのことだ.



本論とは関係ないコラムが面白く,中でも,沖縄の物価が全国と比べて季節変動が少ないのは,気候の変動が少ないから(本当?),というのが一番おもしろかった.

(邪推になるが,結局沖縄はバカで意識の低い未開の土地,という意識がどこかにあるのかもしれない.他人を見下している暇があったらWooldridgeでも読めよと感じた.あ,これ現場では使えないですかそうですか.)

参考文献:
  • 宮川努・川崎一泰・枝村一磨 (2013) 社会資本の生産力効果の再検討, RIETI Discussion Paper Series 13-J-071.

Saturday, November 9, 2013

国際経済学II, 第6回

講義内容
  • 双子の赤字
    • 経常赤字で最も有名なのはアメリカ.
    • アメリカは金融市場が発達していることもあり,世界中から投資が集まっているという側面もある.(cf. Caballero, Farhi and Gourinchas 2008; Mendoza, Quadrini, and Ríos‐Rull 2009)
  • 経常収支 + 金融収支 = 0.
    • 外国に対して持つ資産が増えたら金融収支は赤字(マイナス)になる,という直感に反しやすいポイントを押さえよう.
    • 所得収支は,資本や労働を外国に「輸出」し,それらが稼いでお金を持ち帰ってくる分を捉えています.ので財の輸出と同様に経常収支にプラスで記録し,稼いだお金の分は金融収支にマイナスで記録します.
次回:
  • 国際収支統計の残り
  • 為替の基礎知識と為替変動への対処
コメントより:
  • 「国際収支の仕分けの仕方がとてもややこしかった」
    • 説明がグダグダですみません.
    • 経常収支が貿易取引(輸出入)を,金融収支が対外的な金融取引(貸借)を捉えるもの,というポイントを押さえてさえいただければ.
参考文献:
  • Caballero, Richard J., Emmanuel Farhi, and Pierre-Olivier Gourinchas (2008) An Equilibrium Model of "Global Imbalances" and Low Interest Rates, American Economic Review 98, 358-393.
  • Mendoza, Enrique G., Vincenzo Quadrini, and José‐Víctor Ríos‐Rull (2009) Financial Integration, Financial Development, and Global Imbalances, Journal of Political Economy 117, 371-416.

Wednesday, November 6, 2013

経済政策II, 第6回

講義内容:
  • 日本財政
    • 公務員を目指す人は何らかの形で勉強しておくといいかも.
  • リカードの中立命題
    • 負担を先送りしても,その分負担は重くなる.現在負担(租税)するのと負担を先送りする(公債)とを比べると,どちらが有利というわけでもない.
      • 調達手段を議論するよりも,お金の具体的な使い道を議論する方に政治のリソースを割いてほしい.
    • いつか増税されることがわかっているなら,早いうちから備えるべきかもしれない.
    • 中立命題は,実際に誰が負担するか,という公平さについては何も主張していない.
    • 中立命題は,ダイナミックな最適化という現代マクロのスピリットに支えられている.しかしながら,現実味抜群の命題というわけではない.むしろ中立命題が成立するためには様々な極端な仮定が必要である.
  • 財政を設計し運営していくときには,損をする人・得をする人について丁寧に考えていく必要がある.
  • SNAと租税の話
    • マクロで見ると,租税は支出じゃなくて所得移転.
    • 民間と政府の貯蓄が,投資の原資になっている.
次回:
  • 政府支出の話
  • 労働市場の話 (レジュメ4の用意をお願いします)
  • これはまずい,と思った人は,復習するなり,参考書を紐解くなり,履修取消を検討するなり適宜対処してください.
    • レジュメ3がこの講義で数学的に一番しんどい部分になる予定です.
 コメントより:
  • 「税金はだるいが我々の生活を陰で支えている.その役割がわかってよかった」
    • 誰かから取って誰かに渡すことを所得の再分配と言います.再分配(特に社会的弱者に渡すこと)は社会をうまく切り盛りしていく上で不可欠な要素です.
  • 「消費税が上がって消費や経済の流れも大きく変わってくる,注目していきたい」
    • いいポイントを突いていますね.可処分所得やその見通しが変われば消費や投資も動きます.消費税は景気に大きく影響する可能性がありますし,政治面でも波乱要因になりがちです.Y = C + I + G, に直接出てこないからといって無視していいわけではありません.

Saturday, November 2, 2013

県内建設業ランキング


2012年度における建設業者146社の完成工事高が新聞(タイムス, 新報)に載っていた.

ランキングを見ると対数を取ってプロットしたくなるものである.

沖縄県建設業完成工事高ランキングとrank-size rule. 出典: 東京商工リサーチ沖縄支店.

こうして見ると,中堅(4位~24位ぐらい)どころでけっこうな乖離があるような雰囲気だ.パレート分布のshapeパラメータは1からそこそこ離れているようにも見える.


前年度のデータと重ねてみた:

2012年度のデータは完成工事高10億円以上の企業だけを見たデータである.分布の形状を捉える上で,truncationの影響は無視できないようだ(勉強になった).


(RSSではショートバージョンを配信する設定にしてみた.うっとうしかったら元に戻す.)