Saturday, January 25, 2014

国際経済学II, 第14回

講義内容:
  • 為替と貿易収支
    • 変動相場制は,国際収支のアンバランスを調整する効果も持っている.貿易は通貨の需給に影響するから.
  • 近隣窮乏化
    • 貿易相手国とwin-winにならない政策は,政治的に揉める原因に.
    • 金利を下げたりインフレにしたり,という政策は自国通貨安につながる.
  • トリレンマ
    • 金利平価がポイント.国家間で裁定取引できる(資本移動できる)ときは,金利と為替の動きがリンクする.
    • 固定相場にして世界の金融市場にくっついちゃうと,独自の金融政策は難しくなる.
    • 資本移動をコントロールすれば,為替の安定と自律的金融政策は達成可能.でも,外国資本を受け入れられる土壌を作る中で資本移動のメリットを享受できるかも(特に金融市場が発達している先進国は.cf. Rajan and Zingales 2004).
    • 国際金融の有名な命題であるだけに,様々な検証がなされている.実際,自由に資本が移動する中で,完全に外界と隔絶した金融政策を行うことは変動相場制であっても難しい.
期末試験:
  • 31日に期末試験を予定.おおよそ中間試験と同じ要領で行う.悔いの残らないよう勉強してほしい.
    • 出題範囲は第4.4章以降の内容.
  • 練習問題もアップロード済み.適宜挑んでほしい.
  • 万一31日に出席できない場合,事前に相談を.寝坊に注意(早めに来てどこかで試験勉強するのが吉).

コメントより:
  • 「円安が日本に与える影響がよくわかった」
    • 将来円高になったら何が起こるかも予測できるかもしれませんね.

参考文献:
  • Raghuram G. Rajan and Luigi Zingales (2004) Saving Capitalism From The Capitalists: Unleashing The Power Of Financial Markets To Create Wealth And Spread Opportunity, Princeton University Press. (堀内昭義ら訳『セイヴィング キャピタリズム』慶應義塾大学出版会)

No comments:

Post a Comment