Thursday, July 2, 2015

15年6月沖縄県主要指標

久しぶりにこのシリーズ.沖縄の景気動向を定期的にチェックしているので,その一端を紹介している次第である.

前回ポスト: 15年2月沖縄県主要指標

およそ14年度は増税の影響もあり沖縄は景気拡大にブレーキがかかった時期であったと思う.15年度に入って,12-13年度頃のような成長が再び見られるかが今年度気になるところだ.

日銀那覇支店の県内金融経済概況では,4月から消費増税をめぐる記述が一掃された(コアCPIのところには記述がある).労働市場も引き続き逼迫しているようである.先月あった弊学のオープンキャンパスも盛況であった.株高・円安で,スラックはかなり減ってきた.トレンドにベットするようなタイプが抱きそうな見通しはよさそうだ.

以下では,生産,物価,労働,の指標をざっくり眺める.

 鉱工業生産(4月分)は年度末に停滞していた.4月に出荷・在庫が悪化しており,当面は軟調になりそうだ.(ただ,政府支出が増えるなど拡大し続ける材料はある.)
沖縄の鉱工業生産, 2010年=100. 薄灰色が原数値, 黒が季節調整値, 青がトレンド, 赤が全国. 出典: 沖縄県「鉱工業指数」, 経済産業省「鉱工業指数」.
  • なんとなくボラティリティが高まっているようにも見えるけれど,GARCHでは微妙だった.
消費者物価(5月分)は消費増税が一巡し,0%前後で推移し続けている.0.5%あたりに達していてもおかしくないと思っていたけれど,そうはいかなかった.
那覇市のCPI(灰色), コアCPI(赤), コアコアCPI(青)の前年同期比(単位: %). 点線は原数値, 実線は消費税を除いた値. 出典: 沖縄県 「消費者物価指数」

沖縄県のCPI(灰色), コアCPI(赤), コアコアCPI(青)の前年同期比(単位: %). 点線は原数値, 実線は消費税を除いた値. 出典: 沖縄県 「消費者物価指数」
労働力調査(5月分)は,15年度に入る頃からややポジティブ.
沖縄県の完全失業率, 男性 (単位: %). 青がトレンド, 灰色太線が季調値, 薄い灰色が原数値. 出典: 沖縄県「労働力調査」
沖縄県の完全失業率, 女性 (単位: %). 赤がトレンド, 灰色太線が季調値, 薄い灰色が原数値. 出典: 沖縄県「労働力調査」
  • 15年2月に女性の失業率が急上昇しているが一時的なものであったようだ.飲食・宿泊・サービスあたりから若い層が抜けていったように見える.ただ,毎勤ではこうした変化はすぐに観察できないので,たまたまであろう.
沖縄県の労働参加率, 男性 (単位: %). 青がトレンド, 灰色太線が季調値, 薄い灰色が原数値. 出典: 沖縄県「労働力調査」
沖縄県の労働参加率, 女性 (単位: %). 赤がトレンド, 灰色太線が季調値, 薄い灰色が原数値. 出典: 沖縄県「労働力調査」
  • 労働参加率はおおむね従来通りだが,15年度に入ってから女性の参加率が急上昇している.非労働力人口から労働力人口に転換している模様.
少しずつデータが集まってきたので,労働力率については25-54歳だけに絞った系列も図示してみた.
prime working age (25-54歳)の労働参加率, 男性(青), 女性 (赤), (単位: %). 出典: 沖縄県「労働力調査」.

  • 全国と比べると,男性は水準が低く,女性は水準が高い.
  • 男性はわずかに低下トレンドにある.上の全年齢のグラフで低下トレンドであったのは,高齢化の影響だけではないかもしれない.
    • 14年以降全年齢では上昇しているのに,prime ageではそうでもない.老年が退職を遅らせているのだろうか?
毎月勤労統計調査(4月分)から賃金率を求めた.例によって, 名目賃金率 = きまって支給する給与 / 総実労働時間. (一般労働者) と定義している.今回は沖縄県のコアCPIでデフレートした実質の賃金率も合わせてプロットしてある(大差はない).

沖縄の賃金率, 前年同期比(単位: %). 男性は青, 女性は赤. 規模5人以上. 出典: 沖縄県「毎月勤労統計調査」.
  • 女性の賃金が目立って上昇している.女性労働供給が増えている中で,これはすごい.

直近の日銀那覇支店の県内金融経済概況では,現金給与総額(3月)が前年を下回ったという新たな記述が足されており,真意が気になったので毎勤のデータをプロットしてみた.
沖縄の名目現金給与総額, 前年同期比(単位: %). それぞれ男女計, 一般労働者, パートタイム労働者. 規模5人以上. 出典: 沖縄県「毎月勤労統計調査」.
  • 男女計やフルタイムの労働者に注目すると,3月の前年同期比は0に近いとはいえプラスである.最近はむしろ下げ止まりぎみだ.どういうことだろう?
    • 家計調査の可処分所得だとガッツリ減っているのだけれど.
  • パートタイマーについては,13年夏頃をピークに減少していた状況がまだ続いている.
    • 14年度における変化率は幾何平均して-3.8%であった.
ライカム(4月開業)以後の動きが観察できるのは,来月以降になる.

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