Thursday, October 9, 2014

経済政策II, 第2回, 2014

講義とは関係ないが,LaTeXの設定で最近絶望的な状況に陥ったので,誰のためになるかよくわからないけど簡単に経緯と対策をメモ:
  • 画像をepsでなくpdfにすべく,dvipdfmからdvipdfmxに移行した.
    • tikzを中心にパッケージ間で競合多発 → 主に(x)color関連のものと競合.余計なパッケージを削ってなんとかした.
    • 作成するPDFのバージョンが5以降でないとうまくいかなかった. のでバッチファイルにdvipdfmx -V 5とか-V 6とか指定する.
    • バッチファイルで,platexの後に-shell-escapeオプションを付けないと何かとエラーが出た.
  • できた原稿をAcrobatでセキュリティを変更(権限やパスワード設定)すると,ファイルが破損するというトラブルに見舞われた.
    • 「互換性のある形式」 を「Acrobat 5.0およびそれ以降」にすればOK.

できたPDFが閲覧・印刷できるか複数の環境下でまだ確認が取れていないので,もし講義資料に,文字化けする,印刷できない,フォントや画像がおかしい,などの異常があればご一報ください.


講義内容
  • 日本のマクロ経済政策の論点整理
    • 金融政策や財政政策はマクロ経済学の永遠の重要テーマである.本講義ではこれらに関する基礎知識や,それにまつわる論点をざっくりと学ぶ.
    • 景気の動向は我々の就職事情にも直結する.
    • 経済成長という長い目で見た動向を左右する政策も大切.特に,経済成長を支えるのはアイディアであり,アイディアを産み出す土壌を政策的に整備することも大切である.
  • 市場のつながり
    • 我々は様々な市場を通じて複雑な形で相互につながっている.一定以上勉強しない限り,こうしたつながりを矛盾なく捉えることはほとんど不可能だ.
次週
  • マクロでよく見るデータを概観した後,SNAの基本を学ぶ.
  • 9日15時までが履修登録期間になっている.後々悔やむことのないよう熟慮した上で履修してほしい.
  •  
コメントより
  • 「アベノミクスあんがいいいと思う!」「アベノミクスが注目されているみたい」
    • 賛否両論ありますが,うまくいくといいですね.
  • 「アベノミクスの成長政策がわかりにくい」
    • 言及し忘れました.三本目の矢は傍目からはわかりにくく不透明な部分になっています.
  • 「沖縄の若年失業率は新聞でも見たりするな」
    • 新聞を継続的に読んでいらっしゃるのはナイスだと思います.3年生はご自身の就活も意識して聞いてください.(就活そのものに役立つ授業ではありません…)
  • 「テンションめっちゃ高い人たちがいる」
    • 私は基本ダウナー系なので….
  • 「株価や為替や財政赤字は想像以上だった」
    • 想像ではなく数字で語れるようになるといいですね.
  • 「ミクロは私たち個人により近い話で面白かったが,マクロは話が大きくて全然分からなかった.この授業でわかるようになりたい」
    • 自分の生活に必ずしも直結しないような話であっても,知的に面白いことはたくさんあります.視野を広げるきっかけになれば幸いです.
    • 私の場合は逆で,初めて見たミクロが数学縷縷で,大人になるまでさっぱり興味が湧きませんでした.
  • 「ギリシャよりやばそうな日本はなぜ債務危機に陥らないの?」
    • グラフを疑う姿勢がとてもよいですね.
    • 将来的に返済するための基礎体力が違います.独自の通貨を持っているかどうかも違いますね.外国にどれだけ借金を背負っているかも違います.国を取り巻く地理的・経済的・政治的環境も違います.…というように,そう簡単に比較できず,何が最も大切な原因かを回答することは(私には)できません.
    • 日本が破綻するかしないか,どうすれば最悪のシナリオを回避できるか,は経済学者の間でも複雑な議論が長らくなされてきました.楽観的な話もあれば悲観的な話もあります.
  • 「借金大国なので,いつか銀行口座の差し押さえなど国民に負担が来ることは起こりえるの? 先生は日本経済が危機的であることを講義で話さないの?」「日本はいつか破綻すると思う.そのときにあたふたしないために自分でお金を生み出せるようになることが必要」
    • 仮に破綻したら猛烈なインフレがきて,たとえ銀行預金のような私有財産を直接奪い取られることがなくても,我々が持っている金融資産はあっという間に無価値になってしまうかもしれませんね.
    • おっしゃるように,不安であれば,そう簡単に目減りしないし誰かに持って行かれもしない資産,たとえば自分の頭脳,に投資しておくといいかもしれません.
    • 私は財政学の専門家でもないし,ましてや占い師でもなければデマゴーグでもないので,根拠なく将来を予測したり無責任に危機感を煽ったりはしません.
      • 漠然とした感覚では,今のところ,回避不可能なほど危機的状況であるとは思いません.ただし高インフレも含めた何らかの形でのシビアな増税はいつかどこかで必要だと感じています.「必要」というのは,会計上の破綻を回避するため,というより将来世代の幸せをあまねく確保するためです.ただ,いかんせん専門外なので確たることは申し上げられません.

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