Thursday, May 14, 2015

経済政策I, 第4回, 2015

講義内容
  • 囚人のジレンマ
    • この単純な例から得られる洞察は計り知れない.
    • 利己的にふるまうことが,社会にとって望ましい結果をもたらすとは限らない.こういう状況では熟慮された何らかの経済政策で誰かをもっと幸せにする余地があるはずだ.
    • 信頼したくても相手が裏切るかもしれないし,相手も自分が裏切るかもしれないと思っているかもしれないし,自分が裏切るかもしれないと思っていることを相手に読まれていることを踏まえて考えていることまで読まれるかもしれないし,さらにそう思っているかもしれないことを相手も読んでいるということも読んでいるということまで読まれているかもしれないし…と推論の果てまで思考をこらし始めるとグルグルとわけがわからないことになるかもしれない.ゲーム理論はこうした状況をも扱うことができるように構築され,また改良され続けている.
  • 利得表の読み方
    • ゲームはプレイヤー・戦略・利得からなる.この3つに着目して整理しよう.

コメントより
  • 「自分が囚人だったらと考えると複雑な気分だった.別の角度から物事を考えるにはとてもいい方法だと感じた」
    • プラトンよろしく,我々は洞窟の奥に囚われていて,真理の片鱗をぼんやりと認識しているだけなのかもしれません.知的に閉ざされた状態から脱したいものですね.
  • 「相手も同じことを考えている場合もあるので,自分の思い通りにならない.相手の裏をつくような戦略,または互いの利得が合致できるような戦略が必要になっていくのかなと思った」
    • 裏をつくより,抜け駆けして裏をつくようなインセンティブがないですよ,という状況をお互いに作り出すとよいかもしれません.
  • 「身近なことにもこの理論は当てはめることができると思った」「いろんな例を見ていきながらマスターしていきたい」
    • 例は連休前にいくつか挙げたとおりですが,今後の講義でもたくさん出てきます.
  • 「自分なら自白すると思う.先生だったらどちらを選ぶ?」
    • 普通の人よりは利己的に行動していますのでおそらく自白します.でも相手が絶世の美女なら答えは変わるでしょう.
      • 社会的利益に反するにも関わらず利己的に行動する人を見ると,とてもガッカリします.自分のことは棚に上げてそう思っているのでやはり私は自分勝手なのだと思います.
    • 実験経済学という分野で,人間が実際のところ何を考えどういう状況で何を選ぶのか,を検証する試みが行われています.
  • 「高校の頃友人3人と講座をサボったとき,他の2人に自白されみんな怒られた.自己中や利益追求は悪いだけではないです.」
    • リアル囚人のジレンマは珍しい経験ですね.
  • 「わかったし表も読めるようになった」「単純だけど考えないと難しかった」
    • 表の読解はコツをつかめば単純です.でもそのメッセージを深く考えるのは単純ではないですし大切ですね.
  • 「知ってはいたが,二人とも否認すればよいと思っていた.両方のプレイヤーに裏切るインセンティブがあり,相手を信用できるに,二人とも自白してしまうということでとてもおもしろいなと思った」 「話し合うか事前に決めておけばよい感じになると思った.それでも自分のためだけを考えると難しい問題になると思う.相手を信頼し思いやる気持ちがあればうまくいくのであれば,そのための政策を考えていくのが大切だと思った」
    • 我々が日常的にイメージする「信頼関係」が具体的にどういう意味を持っているのか,改めて考え直すヒントをゲーム理論は提供しているのかもしれません.
  • 「結局人は自分が得するように選択をするんだなぁー」「相手のことを思っていれば自白しないのでは」
    • 人間はある程度は利他的に行動します.でも,自分を犠牲にしてでも人のために何かをするというのは難しいですし,他人に犠牲を強いることはなおさら難しいと思います.
    • 利己性はとても古くから大きな哲学的課題として人類の前に立ちはだかっています.たとえば児玉聡(2012)『功利主義入門: はじめての倫理学』筑摩書房,は読みやすく経済学ともリンクしており面白かったです.
  • 「信頼関係がない限り難しいので,ほとんどの場合で囚人のジレンマは成り立ちそうだと感じた」
    • 罠にはまったまま抜け出す術を見いだせないような状況は多くあるでしょうね.
  • 「懐かしい」「久しぶりに思い出すことができた」「2年のときに習ったけどカンペキに忘れていた」「1年生の頃に習っていた」「何かの本で学んだことがある」「よくわかった」「おもしろいのでもっと知りたい」
    • 私が初めて学んだのは高校生の頃でしたが当時はよく理解できませんでした.
  • 「ライアーゲームと似ている」 
    • 途中で読むのをやめちゃったので….
  • 「パターンが多くおもしろかった」
    • 場合分けはとても大切な知的作業です.苦にせず挑んでほしいです.
  • 「業界地図の本は役立ちそう」
    • お役に立てれば光栄です.様々な仕掛けが施されているので,読み手の読解能力も問われるかもしれません.
  • 「元ネタは芸人ですか?」
    • 特定のモデルはいません.

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