Friday, December 27, 2013

13年12月家計調査

前回の記事: 13年11月家計調査

今月公表の家計調査(11月分)を眺める.出張中に新技Kalman filteringを覚えたので手習いに使ってみた.Gaussian random vectorsの分散はひとまず最尤法で推定してある(signal-to-noise ratio = 0.0243).

Kalman filtering:
沖縄県の名目消費支出(対数).青太線: Kalman filter, 赤点線: HP-filterのトレンド, 灰色: 原系列. 出典: 沖縄県「家計調査」.

Kalman smoothing:
沖縄県の名目消費支出(対数).緑太線: Kalman smoother.


プログラムを走らせてはみたものの,残差の正規性が怪しい(Shapiro-Wilk検定で1%有意に棄却; Kolmogorov-Smirnov検定では棄却できない).

具体的に何らかのモデルを想定しているわけではないので詮もない.

可処分所得もKalman filterにかけた.少し感動的だ:
二人以上の世帯のうち勤労者世帯の名目可処分所得(対数), 沖縄県. 青太線: Kalman filter, 赤点線: HP-filterのトレンド, 灰色: 原系列. 出典: 沖縄県「家計調査」.


従来通りの作図だと以下の通りになる:
沖縄県の名目消費支出(対数). 青線: HP-filterのトレンド, 黒太線: DECOMPでの季節調整値, 灰色: 原系列. 出典: 沖縄県「家計調査」.
二人以上の世帯のうち勤労者世帯の名目可処分所得(対数), 沖縄県. 青線: HP-filterのトレンド, 黒太線: DECOMPでの季節調整値, 灰色: 原系列. 出典: 総務省「家計調査」.




消費も所得も概して寒々しい様子である.毎勤の実質賃金指数も,夏頃から低下傾向が続いている.

前回も言及したが,今月も引き続き耐久消費財は伸び悩んでいる.ところが他の指標を見ると,住宅,自動車,家電などは9月頃から顕著に伸びている模様である.家調では見落としてしまう部分が大きいことには注意が必要である.



先日沖縄振興策が閣議決定されてから,県内上場企業の株価は軒並み好調のようだ(私は県内企業には投資しないしポジショントークにもならない).先月末に自民県連が辺野古容認に転じたあたりで予見した規模をはるかに上回る恒常財政ショックで驚いた(ただし先のことはそれほどcredibleではない気もする.行政上のキャパシティ不足にも直面しそうだ.結局儲かったのが地主と特定の建設会社だけ,にならないことを期待する).今回の決断は大きなマクロ経済ショックをもたらしそうだけど,同時に政治的,歴史的に禍根を残すことになるだろう.(私は政治に関心がないしことの善悪を判断する文章ではないので誤解なきよう)

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