講義内容:
- これまでのおさらい
- 特殊要素モデル続き
- 労働の自由移動 → 賃金均等化
- 産業間労働移動があると,価格上昇ほどには賃金は上がらない.高い賃金を求めて求職が殺到し,賃金に低下圧力が働くからである.
- 相対価格$P_X / P_Y$を動かさないようなインフレ・デフレは,実体経済には影響がない.生産のあり方は変わらず,単に名目賃金がインフレ率と同じ割合で変化するだけ.
- 貿易開始で(相対)価格が上昇する産業(輸出産業)では,生産の拡大が生じる.残りの産業では反対に生産が縮小する.
- つづき.産業間を移動できない労働者について.
- おそらくレジュメ5に入ります.
- 7月26日に期末テストを予定.中間試験と同じような要領で行う.
- 出席率に注意.何らかのやむを得ない事情があって欠席しているのであれば随時欠席届を出しましょう.
- 「価格が倍になる変化は平行移動では表せない」
- モデルの背後にある数学と整合的に作図するため,少しややこしいことになっています.頭の中でざっくりイメージする分には平行移動で十分です.
- 「賃金と価格に関係性がある」
- 企業の利潤は収入と費用の差です.価格は収入に,賃金は費用に関わってきます.自然と,利潤の最大化をもくろむ企業の意思決定は,価格にも賃金にも影響されることになります.
- 「やっぱスペシャリストのほうが稼げるな」
- どちらがより有利なのかは,理論上はなんとでも言えます.のでデータに聞いてみましょう.
- たとえばCustódio et al. (2013)では,アメリカのCEO(代表取締役)の報酬を調べています.いわく,ジェネラリストタイプのCEOのほうがスペシャリストタイプのCEOよりも高い報酬を得ているようです.特に,経営難に陥り,リストラやM&Aといった仕事が必要になった企業では,様々な企業を渡り歩いてきたジェネラリストこそが必要とされるとか.
- Cláudia Custódio, Miguel A. Ferreira, and Pedro Matos (2013) Generalists versus specialists: Lifetime work experience and chief executive officer pay, Journal of Financial Economics 108, 471-492.
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