県内金融機関の預金・貸出金ストックを見ると,内地とさほど変わらないような傾向が見て取れる(意外だった):
沖縄五行庫の実質預金(黒), 貸出金(青). (単位: 億円) 出典: 日本銀行那覇支店. |
実質預金と貸出金の差額. |
- 90年代半ばから貸出のトレンドが見るからに変化.GDPの推移を彷彿とさせる動きだ.一方預金はどんどん増加.
- 資金の借り手が本当にいないのだろう.余った預金はおそらく日米の公債へ.地銀の金利リスク…
- 貯蓄>投資である一方で,沖縄の純移出はマイナス.民間が使わない分の資金は政府が使っているという状態である,と理解できよう.
- 貯蓄が県内の資本蓄積に結びついてないというのは根深い問題だね.
- バブル崩壊後に預貸ギャップは一時逼迫.しかし99年頃には元のトレンドへ回帰.
- 2009年頃から預金はさらに増加.
- 直近では,建設業や不動産業を中心に貸出は増加中.
- (そもそも県内五行庫の定義は?琉銀・沖銀・海銀・信金・MHBK,とするとゆうちょ・沖縄公庫・労金は取りこぼすことに)
- 借り入れ制約がシビア → 将来の見通しが暗いときに預金する誘因up?
- 特に近年は家計よりもむしろ企業が預金を増やしているようである.外部資金調達のコストが上がっていると考えると自然かな.
- 近年は沖縄の土地資産の価値は(全国とは逆に)上昇している.
- 土地の担保価値up → financial friction緩和 → 成長! …となればいいね.
- ただし企業が保有する土地よりもむしろ家計が保有する土地の価値が目立って上昇中.企業の信用力upにはすぐには結びつかない動きかもしれない.
- 技術や所得のキャッチアップを妨げている要因は,人的資本のレベルが低すぎることと,金融仲介機能が弱すぎること,の2つだと漠然と感じている.
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