Tuesday, July 16, 2013

中島『国際金融とオープンマクロ経済学』

後期講義に備えて読んだ本のメモ.というよりタイピング疲れのせいか指関節に激痛があり,読書するより致し方ない.

中島善太 (2002) 『国際金融とオープンマクロ経済学』東洋経済新報社
  • 国際マクロの中級テキスト.レベルはKrugman-Obstfeld-Melitzよりちょっと硬めという趣.
  • 本学学生にはあまりお勧めできない.中堅大学ゼミでの輪読向けか.
    • Obstfeld-Rogoffあたりをさくさく読めるレベルの人には分かり良いのだが.
  • 筆者のBOJでのキャリアを生かし,貨幣供給周りの記述に気合が入っている.しかし一般読者にはご利益は少なめ.
  • エビデンスは申し訳程度しかなく,ひたすらモデルを眺める構成になっている.数学に基づいた経済学的テクニックの展開は抑制されているものの,数学が苦手な人には依然理解しにくいはずである.
  • モデルは70-90年代の経済学を反映した感じ.オールド・スクールなIS-LMをworkhorseとして使っているわけではない.入門講義の種本としては悪くない.
  • とかくスノビズムがうっとおしい.(人ごとではないが…)

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