Arkolakis et al. (2012)に従った定式化のもと,沖縄の貿易利益を試算してみた(実態は産業連関表をから輸入浸透度を計算しているだけ).つまり次の式を使ってautarkyと比較した:
\[\hat{W}_j = \hat{\lambda}_{jj}^{1/\varepsilon} .\]
ポイントは実質所得の変化$\hat{W}$が2つの十分統計量でキャプチャーできること.
\[\hat{W}_j = \hat{\lambda}_{jj}^{1/\varepsilon} .\]
ポイントは実質所得の変化$\hat{W}$が2つの十分統計量でキャプチャーできること.
- $\lambda$: 域内財への支出シェア
- $\varepsilon$: "trade elasticity." 定義は$\varepsilon_j^{ii'} = \partial \ln (X_{ij} / X_{jj} ) / \partial \ln \tau_{i' j} $で,典型的には$1-\sigma$.
Gains from trade in Okinawa (単位: %). 青が輸入から, 赤が輸移入から. 出典: 沖縄県「産業連関表」. |
- 外国との取引によるゲインは1%あるかないかで,内地との取引からはたかだか10%.
- 輸入の場合,$\lambda = 0.957$で, $\varepsilon = -2$のとき2.16%, $\varepsilon = -5$のとき0.87%, $\varepsilon = -10$のとき0.44%, となっている.
- 移入も含めた場合,$\lambda = 0.770$で,$\varepsilon = -2$のとき12.25%, $\varepsilon = -5$のとき5.09%, $\varepsilon = -10$のとき2.58%, となっている.
- 日本も他国と比べると貿易利益が少ない方だが,沖縄はもっと少ない?
ただし本エントリはcross-industry variationを無視した計算をしている(cf. Ossa 2012).しかし鉱業や石油などは輸入しないとどうしようもなかったり.
あとは$\varepsilon$を識別できるような外生ショックがあるといいね.
Reference:
あとは$\varepsilon$を識別できるような外生ショックがあるといいね.
Reference:
- Costas Arkolakis, Arnaud Costinot, and Andrés Rodríguez-Clare (2012) New Trade Models, Same Old Gains? American Economic Review 102, 94-130.
- Ralph Ossa (2012) Why Trade Matters After All, NBER Working Paper 18113.
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