Wednesday, July 3, 2013

経済政策I, 第12回

講義内容:
  • 外部性
    • 市場の失敗を引き起こす(死重損失が発生する).
  • 交渉が市場の失敗を解決する糸口となりうる.
    • 非効率的な状況が発生している場合,いわゆるwin-winの関係を構築する余地がある.互いに得をするような交渉ならなんとか実現できるかもしれない.
    • コース定理のおもしろいところは,誰に権利があっても最適な配分が達成できるところである.権利を明確にして,取引の俎上に載せることが政府の果たすべき役割の第一歩であるだろう.
      • ただし,分配の公平性について考慮しなくてよいわけではない.権利を持っているほうが補償金をもらえる分有利になるので,実際には,どちらに権利を与えるべきか,も無視できない問題となる.
      • 政府や法制度は,市場の失敗を補完するような役割を果たすことができる.
    • 問題によっては,交渉が容易でないこともある.
      • ステークホルダー(関係者)が多いと交渉は困難だ.たとえば環境汚染は利害関係者が広範にわたりがちだ.隣のマンションに騒音被害,といったより身近な状況でも,マンションの住人全員が利害関係者となると案外大変.
      • 現在の世代がまだ生まれてもいない将来の世代に外部性を及ぼしている場合もあるだろう(現在サンゴ礁を破壊した影響は将来の沖縄人にも及ぶ,など).生まれていない以上少なくとも本人とは交渉できない.
  • 限界便益,限界費用など専門用語の堅苦しさは否めないが,惑わされずに,諦めずに学習を続けてほしい.わけわかんねーというときには質問ないし自習を.
次週:
  • 外部性の続き
  • レジュメ5の用意をお願いします.
テスト:
  • 7/24に期末テストを予定.中間試験と似た感じにします.どうしても出席できない事情があれば事前に相談を.その他要望があれば出席カードなどを通じてコメントを.
コメント:
  • 「身近でわかりやすい」
    • 外部性には卑近な事例もありますし,大きな外交問題に発展するような事例もあります.どこかに応用できるといいですね.
  • 「すこしずつわかってきた」
    • わかる,というのは何ともおもしろく贅沢な瞬間だと思います.

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