Thursday, July 28, 2016

社会経済統計学I, 15, 2016

面倒くさくなって途中で更新が止まりましたが,今週でこの講義は終わりです.参加してくださったみなさんありがとうございました.あとはレポートをお待ちしています.

やったこと:
  • 統計学・計量経済学の入門レベルの内容を学んだ.
    • 記述統計 … データはばらつきが大事.ばらつきの程度を捉える標準偏差,2変数間のばらつき方の関連性を捉える相関係数,などの概念は押さえておきたい.ヒストグラムを使って分布の全体像を眺めることも大事.
    • 確率論 … 確率分布・確率密度関数の読み取り方を押さえておきたい.代表的な分布として正規分布だけでなく,二項分布やポワソン分布も応用例とともに紹介した.
    • 漸近理論 … 大数の法則と中心極限定理.ランダム・サンプリングしたものをたくさん集めることが大事.
    • 仮説検定 … 仮説は観察されるデータと整合的かどうか判断する.p値を(あらかじめ定めておいた)有意水準と比較すると簡単.平均値の差の検定はExcelでできる.
    • 回帰分析 … 重回帰での推定・検定を修行してもらいたい.Excelだと手間はかかるが一応できる.
  • その他,いくつか経済学の論文も題材に取り上げた.Sen, Heckman, Kahnemanなどノーベル賞受賞者の他,Piketty, Levitt, Fryer, といったより若いスターたちの研究も紹介した.
  • この講義をやり抜けば,入門レベルの計量経済学の教科書なら自力で読み通せるようになり,学術的な議論も読める範囲が広がるのではないか.
できなかったこと:
  • シラバスに書いた計画のうち,回帰診断,DID,データビジュアライゼーション,は無理だった.データの見せ方については補足スライドをアップしたものの,送られてくるレポートを見る限りあまり伝わっていないようである….その他所々省略したところもあった(条件付き期待値,タイプ2エラー,など).
  • Excelによる実装例も紹介するよう努めたが,パソ室での実習もしたかった.
  • 他の講義(統計学入門など)とどれだけ差別化できたかよくわからない.
  • 正直なところ大半の学生には難しすぎる内容であった.もっと履修人数を絞りたかった.

 レポートについて
  • 講義中に注意した通り,剽窃・盗用に注意してください.アカデミアでは重罪です. 他人の分析と自分の分析を区別し,自分自身の手と頭で成し遂げたことは何か意識してください.
  • じっくり考え地道に試行錯誤した形跡が認められれば評価します.分析自体が拙くとも,トライしたことを評価します.一方,講義中寝てばかりいたような人が2, 3時間で仕上げたようなクオリティのものは不可にします.また,レポートの趣旨を誤解してまったく別の課題に取り組んだ場合も不可にします.もちろん悪質なコピペレポートには単位を認定しません.
  • 特別な事情(忌引きや入院など)がない限り締め切りを1分でも過ぎたら読まずに不可とします.事情で提出が遅れそうであればその旨連絡してください.
  • ファイルの送信ミスや,件名や本文がない無礼なメールが散見されます.メールの使い方やエチケットぐらい調べてください.
今週末は出張のため反応が遅れるかもしれませんがご了承ください.きめ細かいサポートも無理です.

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