Friday, January 9, 2015

国際経済学II,第14回, 2014

ようやくこの講義も終わりです.最適通貨圏の議論が消化できませんでしたが期末試験には出しません.また,来週はセンター試験のため休講です.

講義内容
  • 円安になると景気が良くなる,と言うはやすし.現実はそこまで単純化できない.
  • パススルー
    • 企業・産業によって,為替の変化にどう対応するかはけっこう異なる.
  • Jカーブ効果
    • 短期的な動きと長期的な動きが反対になることもある.
    • ただしJカーブがいつでもどこでもわかりやすい形で生じるわけではなく,統計的に検出するのは難しい.
      • 今日一瞬名前が出てきたFRB議長イエレンもその昔,Jカーブなんてねーよ,という論文を書いていた(Rose and Yellen 1989).
  • こうした価格・貿易収支の動きを再現できるような理論モデルを開発するのも,国際マクロの大切な仕事である.
  • 固定相場制とトリレンマ
    • 為替レートの変動,がレジュメ4以来の大きなテーマであった.ではもし動かないようにしたらどうなるの,と政策的含意を考える.
    • 金利平価が理解のポイント.国家間で裁定取引できる(資本移動できる)ときは,金利と為替の動きがリンクする. 固定相場にして世界の為替市場にくっついちゃうと,独自の金融政策は難しくなるのだ.
      • 政府(中央銀行)は通常,金利を操作することで景気をコントロールしている.詳しくはマクロの教科書を一読あれ.
      • 固定相場にすると,この景気コントロール能力を失ってしまう,ということ.
    • 国際金融の有名な命題であるだけに,様々な検証がなされている.実際,自由に資本が移動する中で,完全に外界と隔絶した金融政策を行うことは変動相場制であっても難しい.
コメントより
  • 「今日の講義で固定相場をするとその日(?その後?読めません)はどうなるの?」
    • せっかくのところすみませんが,文字が潰れて質問の意図がわかりません.
    • 為替介入のオペレーションとしては,財務大臣がやると決断して,日本銀行が実務を行う,たとえば東京外国為替市場で円や米ドルの売り買いを行う,という流れになります.
  • 「今日は,良い講義だったと思います」
    • ありがとうございます.
  • 「昔は1ドル360円だったよね? 今は変動であれ200円にすら満たないがどうして現在はそれほどまでにレートが落ちたのか?」
    • 難問ですね.私は確信を持って答えることが出来ません.
    • 一見答えになっていないような答えですが,「たまたまそうなった」という可能性がけっこうあるようにも思いました.寓話的に言うと,牧志でしたたかに酔っ払って記憶を失い翌朝目が覚めたら安里にいた,という状況があったとき,目が覚めた場所が久茂地であったとしても不思議はなく,安里にいた理由は「たまたま」としか言いようがない,という感じでしょうか.(?)
  • 「為替の企業に与える影響力がすごいということを再認識できた」「輸出先で値上げをするのはなるほどなと思った」
    • 企業がどういう理由でどういう価格戦略に出ているのかは私も気になるところです.
  • 「トリレンマのところは難しかった」
    • 時間の都合もあって,普段より話の展開が早くなってしまいました.
  • 「Jカード効果という言葉をはじめてきいた」
    • 私もです.
  • 「あけましておめでとうございます」「今年も一年よろしくお願いします」
    • おめでとうございます.よろしくお願いします.
参考文献
  • Andrew K. Rose and Janet L. Yellen (1989) Is there a J-curve?, Journal of Monetary Economics 24, 53-68.

No comments:

Post a Comment