Friday, August 30, 2013

13年8月沖縄県主要指標

先月のポスト: 13年7月沖縄県主要指標

この主要指標観察シリーズは地味に好評を博しているようだが,すべて素人の印象論の域を出ていないので当てにしないように願う.

今月公表分の鉱工業指数,消費者物価指数,完全失業率ではいずれも異次元緩和の影響らしきものが少しずつ見て取れるようになってきた.

まず鉱工業生産(6月分).
沖縄の鉱工業生産, 2005年=100. 薄灰色が原数値, 黒がDECOMPでの季節調整値, 青がトレンド, ピンクが日本全国のトレンド. 出典: 経済産業省「鉱工業指数」
  • 前月比では下がっているものの,前年同期比では上昇中.
  • 出荷指数も下がり,在庫指数は上がっている.
  • 石油製品工業が,今年度に入ってから急減速している.リーマン以後の沖縄で数少ない伸びている産業であり,気になる気配である.次のグラフは,石油製品工業の鉱工業生産指数と,実質実効為替レートを併せてプロットしたものである:
沖縄の石油製品工業(青線がトレンド, 2005年=100)と実質実効為替レートのトレンド(ピンク線, 2010年=100).出典:沖縄県「鉱工業指数」, 日本銀行「外国為替市場」.

  • 原油価格上昇 + 円安,という国際環境の変化に対応した動きと解釈できるかもしれない?
  • 輸出入にもインパクトを与えそうだ.

次に消費者物価指数(7月分).
那覇市のCPI(灰色)とコアコアCPI(青)の前年同期比のトレンド(単位: %). 薄い色が原数値. 出典: 沖縄県 「消費者物価指数」
沖縄県のCPI(灰色)とコアコアCPI(青)の前年同期比のトレンド(単位: %). 薄い色が原数値. 出典: 沖縄県 「消費者物価指数」
  • 那覇市・沖縄県両方ともCPI総合は昨年7月よりも上昇している.一方コアコアCPIはギリギリ非正.
    • 光熱費や自動車関係費が目立つ.
    • それでも,電気代は全国では10.1%上昇している中で,那覇市・沖縄県では2.0%上昇と,マイルドな変化にとどまっている.

最後に完全失業率(7月分).
沖縄県の完全失業率, 男性 (単位: %). 青がトレンド, 灰色太線がDECOMPでの季節調整, 薄い灰色が原数値. 出典: 沖縄県「労働力調査」
沖縄県の完全失業率, 女性 (単位: %). 青がトレンド, 灰色太線がDECOMPでの季節調整, 薄い灰色が原数値. 出典: 沖縄県「労働力調査」
  • 男女とも失業率は前月より悪化.前月が良すぎた.
  • 非労働力人口が労働力人口に流れ込み,それがそのまま完全失業者となった模様.
    • 世帯主との続柄別を見ると,「その他の家族」 の失業率が悪化というかトレンド回帰している.
  • 6月は25-34歳の失業率(男女計)は4.2%と絶好調だったが,7月は7.8%にリバウンド.
    • 製造・運輸・通信・郵便・サービスといった,比較的非熟練労働者が多い産業で雇用が減少している模様.
    • 建設業での雇用拡大は一服という趣.


シンクタンクは景気拡大中という判断のようだ: 沖縄タイムス 7月景況「拡大」判断据え置き
たしかに今のところそうかもしれない.しかしシリアが気になるところ(便乗してけっこう儲かったが).

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