Thursday, September 19, 2013

前期授業改善アンケート

講義終了時に実施した授業改善アンケートの結果が返ってきました.ご協力ありがとうございます.アンケートへのリプライは本学のウェブサイトにそのうち掲載されるそうです.

ポジティブな評価を多くいただき光栄ですが,最後まで生き残った学生しかアンケートを記入できないというサンプリング・バイアスが大きいわけですから,慢心しないように気をつけます.忌憚なき批判を書かれた方にも本当に感謝しています.(誰がどういうコメントをしたかは私にはわからないようになっています,念のため)

講義ではレジュメを各自用意するよう指示していますが, アンケートで賛否両論あったので持論を述べます.教育学の研究成果を漁ったわけではないのであくまで素人のたわ言ですが.
  • メリット
    • 資源の節約
      • 受講者数を正確に把握できないので,私が用意するとレジュメの過不足が発生してしまう.
      • 電子タブレットを積極的に使いたい人もいる.
      • 忘れたのでもう一部,という人を排除できる.
      • 余ったレジュメを見るのは悲しいよ!
        • レジュメ印刷数問題の最適解と分権的メカニズムによって達成される配分のパフォーマンスは不完全情報が入ったミクロモデルで精査できるかも? (私の印刷限界費用がnegligibleなら私がやっちゃえばいいわけですが)
    • サンク・コスト・バイアス
      • せっかく印刷したんだから…という心理的な力に働きかける.
    • 手続きコストの節約
      • 私が用意する場合,大量印刷手続きにそれなりの時間が必要.
      • 私のレジュメ生産能力が低く,「レジュメができてない→印刷間に合わない→講義できない」というケースを回避したかった.
    • ITリテラシーの向上
      • PDFを扱う,印刷する,検索する,といった当たり前のITリテラシーを身につける機会を提供する.デジタルネイティブとはいえ,SNS・ゲーム・エロぐらいにしかITを使っていない層も多い予感がしているので.
    • 積極的に講義参加している気分に
      • 与えられたものをやる,ではなく,自分から勉強する素材を用意する,という形式を取る.ちょっとした姿勢の違いが,学習意欲にいい影響を及ぼすかもしれない.
    • 印刷の質を自分で選べる
      • 私のほうで用意すると安くて薄い印刷になりがち.
    • プレコミットメント
      • 事後的な融通が利かなさそうな先生だ,という印象を植え付ける機会を作る.
    • 私自身の宣伝
      • 私のウェブサイトを経由することで,世界を相手に研究している様を知ってくれれば…
  • デメリット
    • 学生の手間
      • 前日までに用意するとなると結構負担.
      • 大学のプリンタには,印刷数に制限がかかっている.
        • 損失回避バイアスが十分に強いと,コストをかけて勉強することを断念する可能性.
        • せっかく印刷したのに講義で使わなかった,という場合に不快感を醸成してしまう.
      • やる気がなさすぎる学生のスクリーニングになる,というメリットも.
こう挙げていくと,学生にはデメリットしか見えませんが私にはメリットしか見えないようです.よりベターなシステムがあれば示唆していただければ.


他言いたいことはいろいろありますが,なによりアンケートで誰もこのブログに言及していなかったのが寂しいです.



更新頻度が下がってると叱咤いただきましたので更新しました.なんとか生きてます.

ついでに近況報告ですが,1本アクセプトされました.やったぜ.論文に関わったすべての方に改めて感謝.

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