Monday, July 14, 2014

堀田『インドで考えたこと』他

久しぶりに読書メモ.台風の間に積ん読をいくつか消化できたのだ.

  • 堀田善衞 (1957) 『インドで考えたこと』岩波書店
 インドから思想,哲学,文学を考える.いつ面白くなるんだろうと思ってたら最後まで面白くはならなかった.一定以上の深度に考察を深めていくことが出来ない文系インテリの姿に焦慮を抱いた.(他人ごとではない.)

  • 福澤一吉 (2010) 『議論のルール』日本放送出版協会
 国会の党首討論やテレビの討論番組を素材にして,論理的で建設的な議論をするにはどうすればよいか考える.ビジネスマン(最近だと瀧本哲史など)が書くディベートのノウハウ本と違い,アカデミックな議論の積み重ねの中で培われた議論の作法を学ぶことができる.分量も軽く,内容は学生にはややハードだが,本blog読者層全般におすすめしたい.
 政治家や芸能人(テレビに出る芸能人的学者の多くも含む)の議論は議論とは呼べない.その場を取り繕う瞬発力はすばらしいが,論点は噛み合わず,根拠も論証も怪しげなまま突き進むばかり.私はこうした議論に対して違和感と嫌悪感をおよそ中学生の頃から漠然と感じていたのだが,もし思春期頃に本書と出会っていたら今よりもっと超然的なイヤなヤツに成長していたに違いない.
 本書を読んでいて,「説明する」という言葉の意味が我々と一般人とで異なることにようやく気づいた.試験問題やレジュメを作るときには注意せねばならない.

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