Monday, May 20, 2013

5月家計調査

 沖縄県の家計調査が更新された(2013年3月分).家調は(1)小サンプル(n=299世帯), (2)真面目に回答する誘因に乏しい(めんどくさい), (3)SNAと概念が異なる, といった短所があるが,参考までに眺めてみる.

 消費支出の推移を見た.実質のほうはCPI総合でデフレートした.
2人以上世帯の名目消費支出(黒), 実質消費支出(青). 出典: 沖縄県「家計調査」, 「消費者物価指数」.
成長率(前年同期比)で見ると次の通り.
実質消費支出の成長率.
 今日公表された3月分の消費支出は,前年同期比では4%ほど下がっているようだ.とりわけ家具などの耐久消費財への支出が削られている.利子率が上がってると…

 実質消費支出のautocorrelation functionを見てみよう.
もちろんランダム・ウォークには見えない.

 対数を取って季調ARIMAを走らせてみた.(ARIMA(1,1,2)(1,0,1)[12]で)
 係数の95%信頼区間は次の通り.なんだかいまいち.

              ar1        ma1        ma2      sar1      sma1
2.5 %  -1.1570016 -0.3268198 -0.8440349 0.8901117 -1.258272
97.5 % -0.2276799  0.5308698 -0.3469504 1.0739710 -0.403217

ついでに1年分の予測をぶん回すと次の通り.




 最後に.ここまでの時系列での概観とは別に,沖縄と日本について,消費の比と物価の比を比べてみた.(Backus and Smithのような完備市場のモデルを想定.)
消費支出の比の対数の差分と,CPI総合の比の対数の差分(前年同期差). 出典: 総務省「家計調査」「消費者物価指数」.
無相関に…

Reference:
  • David K. Backus and Gregor W. Smith (1993) Consumption and real exchange rates in dynamic economies with non-traded goods, Journal of International Economics 35, 297-316.[link]

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