Thursday, May 14, 2015

国際経済学I,第4回, 2015

講義内容
  • 入門ミクロ: 需要
    • ここでの家計は,価格を見てどれだけ消費するか決める存在.こうした家計の行動をグラフに表現したものが需要曲線である.
    • 人間は価格だけに反応しているわけではないが,それでも,価格に反応する部分だけを抽出して絵に描いたものが需要曲線である.もちろん,グラフに価格以外の情報が直接出てこないからといって,消費者が価格だけを気にしていることは含意しない.
    • 価格を自分では動かせず,価格を受け入れるより他ない人をプライス・テイカーと呼ぶ.我々が今後分析していく登場人物はみなプライス・テイカーであると仮定する.つまり,現実にはプライス・テイカーではない例が散見されるが,そういう人のことは便宜上いったん無視し,いなかったことにする.
コメントより
  • 「ミクロで習った」「高校で習った」「復習になった」「今までよりしっかり理解できた」「細かく理解できた」「おもしろくて意味がわかりやすかった」「需要法則がわかった」
    • 経済学は取っつきにくい学問ですので,入門的な内容でも繰り返し学ぶとよいように思います.重複があってすっかり退屈だという方はしばらく辛抱してください.
    • 今後,特にレジュメ2ではグラフをたくさん使うので,今のうちに不安なところは解消しておきましょう.
  • 「左方上がりなのか右方下がりなのかわからない部分があった」
    • どちらも正しいです.グラフの傾きがマイナスであることこそがここでは重要なので,日本語の上下左右が逆転することそのものをさほど気にする必要はありません.
    • 私がグラフを見るときにはほぼ無意識に,原点から右,あるいは原点から上へと視点が動きます.ですので,右下がりと表現した方が自分の認知パターンにそぐうことになります.
  • 「シフトのグラフの書き方がいまいち掴めない」「シフトが難しかったので復習したい」
    • 何かが起こる前の状態と,何かが起こった後の状態とを楽に比較できるような作図をすることがここでの目的です.
    • シフト云々以前に,グラフが表すものの意味を自分の言葉で説明できるようになるといいと思います.
    • 供給を学ぶときもシフトの例を挙げます.今の段階ですぐにはピンとこなくても,何度も手を動かしながらゆっくりマスターしてください.私の講義だけで不十分な場合は,ミクロの入門教科書にトライしてみてください.
  • 「現実はもっと複雑らしいが、複雑なグラフも気になる」
    • たとえば次のグラフは昔私が研究で用いたものですが(最終的には没にしましたが),連続でも単調でもない状況を記述しています.場合によってはもっと複雑なケースを考えることもあります.
    • グラフは複雑であればよいというわけではありません.複雑な世の中の,より本質的な部分のみをシンプルにまとめ上げたグラフこそが好まれます

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