Wednesday, July 1, 2015

国際経済学I,第10回, 2015

更新を忘れていた….



講義内容
  • 小国開放経済における輸入関税
    • 需要が減り国内供給が増えて輸入が減り関税収入が発生する.このあたりの変化をひとつずつ整理して,どれもなるほどと納得してもらいたい.
    • 余剰の分析も,自分で一度整理して考えてほしい.
    • 税収は,長方形の面積($=$たて$\times$よこ)を使って考える.

コメントより
  • 「社会余剰が減るのに関税をかけるのは,生産者保護の他にも理由があるのか」
    • 前回の講義で軽く紹介しましたが,関税は輸入価格を引き下げて自国に有利にする効果(交易条件効果)も持ちます.その他,企業の立地を引きつける(関税回避型FDI)効果もありますし,外国との戦略的な関係の中で裏切られたとき相手に罰を与える目的で課されることもあります.
    • 政府は必ずしも自国の社会的余剰を最大化する存在ではありません.政治が絡むと,社会余剰を減らしてでも関税を課すことがありえます.
  • 「輸出する場合,輸出量はどこになるのか」 
    • 図解しました.なぜこうなるかは自分で考えてください.
  • 「死重損失がわかった」「グラフは理解できた」
    • 人の行動を不用意に変えると,目に見えない損失が生じます.
  • 「関税はあまりいらない感じがした」
    • 先週の講義でも紹介しましたが,ラッセル『寓話で学ぶ経済学: 自由貿易はなぜ必要か』あたりもご覧あれ.
  • 「グラフを書くとわかるが,納得できないところもある感じがする」「難しかった」
    • 極度に単純化されたモデルであり,現実に大切な部分を大幅に捨象しているのは確かです.それでもなお,モデルが抽出している,より本質的なことが何かを深く考えるとよいでしょう.

MathematicaRを行ったり来たりしていて混乱中Mathematicaはもう少しエコノメ系のパッケージ(とユーザーフレンドリーさ)が充実していると助かるのに.

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