Wednesday, October 28, 2015

経済政策II, 第5回, 2015

週末は学祭ですね. お祭りで楽しむのもよいですが,後述するように,読書の秋になるといいですね.

講義内容
  •  SNAの続き
    • 名目成長率は,実質成長率とインフレ率に分けて(近似的に)考えることができる.名目/物価=実質,と分数で覚えるのと合わせて覚えておくと便利です.
    • 一人当たり,は要するに割り勘.
  • 需要と供給
    • もっと詳しく知りたいときはミクロの教科書を読んでください.図書館にたくさんあります.

コメントより
  • 「サービス業だったら生産はできても支出は難しくないか?あと,企業が生産した分のお金はどうなるの?」
    • ここでの「支出」は,誰かがそのサービスに対して支出している,という意味です.難しいも何も,生産していればそれと同時に誰かが支出しています.
      • ここでサービスを支出しているのは,サービス業者自身とは限りません.国内の誰かが支出しています(輸出の場合は国外の誰かになりますが).
    • 「生産した分のお金」が何を指すのかよくわかりません.所得面の議論を思い出すと,付加価値は誰かの所得に帰属します.
  • 「GDPデフレーターや労働生産性は実態を把握する重要な要素であると感じた」 
    • 特に労働生産性を高めるにはどうすればよいかは深く考える必要があると思います.
  • 「4年生ですが来年の講義で統計学が学べたらいいと思っています」「たしかに同じことをやっている感じ.統計学やりましょう(笑)」「来年の講義を増やしてほしい!経済政策をさらに深めた講義はすごく面白そう」「確かに入門が多めで同じことを習う機会が多い」「地域経済学は面白そう.そのような応用もあったら勉強も楽しくなると思う」
    • 様々なご意見ありがとうございます.発展的な内容にも関心を持っていただきうれしいです.検討します.
    • 計量経済学に相当する科目があるといいとは思いますが,数学を迂回するとなると何がどこまで教えられるのかなかなか見当が付かないですねぇ.
  • 「やったことあるような内容でつまらなかった感じ.もっと実用的なのをしてほしい」 「実務的な内容がかなり盛り込まれた講義があれば面白いと思う」
    • 私は実務家ではありませんので,現場の知識を教えることはできません.政治の世界とも縁がないし関わり合いたくもないので,今後ともそういう話は無理です.フィールド実験の結果などはかいつまんで説明できそうですが…
  • 「本を読む習慣をつけたい.先生はどう習慣づけたのか?どの時間を使って読む工夫をしているのか?」
    • 最近ブームの教育経済学では,幼い頃に親が絵本を読み聞かせた経験などが大事との話もあるようです.将来子育てするときは小さい頃,特に小学校に就学する前に愛情を注ぐといいですね.親の協力・家庭環境も大事です.
    • 大学生になってから習慣づけるにはどうすれば,とはなかなか難題ですが,読書を楽しむことが第一だと思います.好きこそ物の上手なれです.新しい考え方や知識に触れ,自分が成長できる感覚をつかんでいただければと思います.
    • 楽しめるようになるまでは砂を噛み続けるような拷問かもしれません.それを乗り越える方法にこれといって正解はないかもしれませんが,たとえばやさしい本でもいいからまずはたくさん読んではいかがでしょうか.私の経験では,小学生の頃に1000ページぐらいある西遊記を読破したのが自信になった覚えがあります.内容はよくわからなくてもとにかく分厚いものを読んで,少し大人になった気分を味わったのが今につながっている気もします.中学生の頃は,読みやすくて分量がある司馬遼太郎などをひたすら読みました.まずは分量をこなして,達成感を味わい、読書の抵抗感をなくし,語彙力を高めなければと思います.その中で,人生を衝撃的に変えるような本との素敵な出会いを果たしてください.
      • 長い本でなく,短編をたくさん読むのもよいと思います.
    • 私の場合,大学受験を通じて国語の読解力を強化できたのも大きく役に立ちました.難しい本を読むには,それなりの作法を習得する必要があります.ただたくさん読むだけでなく,読み方も覚えねばならないと思います.論理的な読解の仕方は中学・高校では必ずしも教わりません.自分で適切な参考書を見つけて挑戦する必要があると思います.難しい本が読めるようになると,読書の幅も広がり,読書だけでなく様々な知的活動をいっそう楽しめるようになると思います.
      • 多くの方はロジカルな構造を読み取る能力をまるで鍛えていないという印象を持っています.まだまだみなさんの吸収能力は未開花です.世界の面白さを感じ取る力はやり方次第で伸ばせます.当然,伸ばすともっと人生は面白くなります.
    • 私の場合,読書を楽しむどころか愛してますね.愛や情熱も大事です.中学生の頃は,将来失敗して貧困のどん底に陥っても,家族友人から見放されても,本さえ読めれば人生を豊かに過ごすことができるだろう,という展望を持っていました.究極的には読書だけが救いになりえると思って,読書にすがるより他なかったんです.今も昔も根暗で悲観的でして.また,本も読まずにテレビやパソコンにかじりつきながら日々を無為に過ごす大人にはなりたくないな,とも思っていました.知性ある大人になりたい,というあこがれが人生設計の中に漠然とあったような気もします.こうして,読書をするのが当たり前だと認識するようになりました.今の私が十分に知的かと言われると困りますが,習慣をつけるための一般的なアドバイスとしては,将来どういう自分になりたいか,どういう自分になる可能性があるか,そこに本は必要か,を改めて考えるとよいでしょう,となります.経済学や数学の教科書などは,楽しいからというよりは,将来絶対必要だから読む,という義務感で読んだものも多いです.読書が必要であることを自分なりに納得できるとよりよいと思います.
      • 大学生の頃は,服や食事はなるべく節約するが読書に金を惜しんではならない,という俺ルールも課していました.食事は消費ですが,読書は消費でもあり投資でもあります.読めば読むほど雪だるま式に大きくなり,必ずいつか元は取れるという確信を抱いています.
    • 研究の道に進んでからは,研究と関係がない本はあまり読めなくなりました.本に載るようなことをやらねばならないので.それでも寝る前に気持ちに余裕がある限り,少しずつ読むようにしています.会議中も(自粛).
いかん,読書ネタに熱くなってしまった.

Saturday, October 24, 2015

国際経済学II, 第5回, 2015

追記: 学祭のため一週間空きます.

講義内容
  • 国際収支表
    • 経常収支 = 金融収支,で理解するとよい.
      • 実際には誤差は大きい.大きすぎて理解に苦しむ.
    • 経常収支は貿易(や要素所得)の動きを記録するところ.貿易がアンバランス(輸出=輸入じゃない)になると,経常収支が黒字や赤字になる.
    • 金融収支は金融資産の動きを記録するところ.純資産が増える動きは黒字.
      • 基準改訂前に覚えた昭和生まれにとっては混乱しやすいところ…説明する分にはBPM6のほうが直感的で楽.
    • 双子の赤字については講義中に説明したタイムラインが間違っていました.来週訂正します.
  • 来週はレジュメ4に入るかもしれません.用意しておいてください.

コメントより
  • 「経済がプラスにいけばいくほど金も増え,豊かになる.逆は赤字な経済が生まれる.これが単純にわかった気がする」 
    • ところがアメリカは経常赤字続きですが豊かですね.何を持って豊かとするのか,もう少し慎重に考える必要がありそうです.
  • 「ちんすこうのイラストがウインナーに見えます…」
    • たしかに…今度はタルトか何かに挑戦します.
  • 「よくわかった.もっと詳しく知ってみようと思った」「難しい.おさらいしないとおいていかれそう」
    • 金融取引をイメージできないとなかなか難しいところがあるかもしれません.

Thursday, October 22, 2015

経済政策II, 第4回, 2015

Mathematicaライセンスをリニューアルする.高い出費だ.こんな高いソフト誰が好んで使うのだろうか?
価格もさることながら,実証研究の勃興に伴い経済学界隈でのMathematicaユーザーは漸減中な気がする.PythonやRの層の厚さを見ると,ちょっと勝ち目がない.

そんな中,この夏はMathematicaテクが当社比でかなり向上した.スイッチングコストがみるみる高まっている.ここはMathematica振興のためにノートか何かに自分のテクニックをまとめておいてもよい気がする.需要ありますかね?「応用経済理論研究のためのマセマティカ」みたいなドキュメント?



講義内容
  • 今日から教室が3-102に変更となりました.間違えないよう注意してください.
  • マクロ指標の確認
    • 景気に連動して様々な市場が動いていることがわかる.一般均衡的な思考が必要.
  • SNA
    • GDPの定義はいつでもどこでも使うので理解しておこう.

コメントより
  • 「どんな政策で名目GDP600兆円にするんですか?」
    • いい質問で思わず笑ってしまいました.私が知りたいぐらいです.
      • 政策ルールそのものにコミットするのはとても難しい,という印象を受けましたがこの分野のプロの方々はどう考えているのでしょう?
    • 具体策は首相官邸ホームページなどから直接確認しておくとよいと思います.政府の施策は新聞・テレビでも日々論評されていますが,あくまでも選択的で断片的な情報でしかありません.
  • 「サービス業に付加価値はあるのか?塾でたとえると,生徒側が払っている学費が付加価値になっているの?」 
    • これもよい質問です.サービス業の付加価値や生産性を計測するのは案外難しいことです.
    • ビジネスではないボランティアなどを除けば,付加価値はどの産業でも発生します.学費は売上高の主要な構成要素だと思いますが,付加価値はそこから中間投入を差し引いたものです.
      • 生徒が得た充実感や成長の「価値」は,必ずしも学費(価格)と一致しません.ミクロで需要を勉強するとよいかも.
    • 塾のような教育サービスの場合,中間投入(たとえば電気代は電力産業から購入したものとして付加価値から差し引きます)はとても少なく済みます.
      • 産業連関表にいわく,「教育・研究」産業は不動産産業に次いで中間投入率が低い(24.4%, 2011年)そうです.文系や小・中等教育の場合もっと少ないと思います.
      • 教科書を生徒に買わせる場合,出版業(情報通信業)からの中間投入にカウントされるんでしょうか? ここは私もよくわかりません.
  • 「何度もやる内容ってことは大切な前提の話だと思う」「復習になった」「たくさん学んだ」
    • 統計の基本的仕組みはマクロ経済を体系立てて矛盾なく理解する上でとても役に立つ,と感じています.私の講義を聴いているだけだとなかなかこの境地に達することは難しいかもしれませんが…
      • (理論だけをやっていればindex number problemなんかつゆも知らずにつつがなく過ごしていた気がする.)

Sunday, October 18, 2015

沖縄の安定所別求人倍率: ライカム効果のゆくえ?

折に触れよく聞かれるのが,イオン琉球の大型ショッピングモール沖縄ライカムができた影響だ.3000人ほど新たに労働需要が生まれ,何かいい影響があると県民の多くに期待されているらしい.アンケートだと,人を雇うのも大変になった,とのことである(link: 琉球新報2015年9月26日 「求人難しく」64% ライカム影響飲食店調査).

残念ながら,出店が外生的なものと見なせない以上,その因果効果を評価するのは原理的に困難である.このブログエントリでは,因果推論の困難さはわきまえた上で,地域間のバリエーションを眺めてみたい.(現実逃避をしている.)

地域別に雇用情勢を把握すべく,一般職業紹介状況を使う.安定所別(那覇・沖縄・名護・宮古・八重山の5つ)に数字がわかるからだ.

ライカムが何かしら中部地区の労働市場にエクストラな影響を与えているのであれば,ライカムが着工された2014年2月28日,オープンした2015年4月25日,あたりを目印に沖縄安定所で何らかの特徴的な動きが観察できるはずだ.ただし今回は私のデータ整備能力の都合上,2014年4月以降のみに着目する.

次のグラフは,有効求人倍率の前年同月差の推移である.縦棒が,ライカム開業時期(4月)に対応する.沖縄安定所は赤い太線で,他の安定所は凡例の通りである.
沖縄の有効求人倍率の前年同月差. 出典: 沖縄労働局「一般職業紹介状況」.

  • 開業時期前後で,沖縄安定所で目立った変化は見られない.
  • 着工後,那覇安定所(青線)と比べて目立った成長は見られない.
という2点が見て取れる.ライカムが中部地区で逼迫度を高めた様子はまったく見当たらない.

充足率(= 充足数 / 有効求人数),つまり求人を出したうちどれだけマッチできたか,の前年同月差が次のグラフである:
沖縄の充足率の前年同月差. 出典: 沖縄労働局「一般職業紹介状況」.
  • 開業直前の3月は,沖縄安定所・那覇安定所ともに充足率が急落している.しかし,4月以降は元のトレンドに戻っているように見える.
    • もちろん,変動が大きいためあまり多くのことは言えない.
オープニング・スタッフを中部で集めても足りず,那覇エリアからも急遽雇った,という可能性はある.一方,中南部全体にライカムとは別の一時的なショックが生じた,という可能性もある.充足率で見ても,開業の影響はとても微妙であることがわかる.

まとめると,ライカム開業が沖縄の労働市場に目に見える変化をもたらしてはいないことがわかった.せいぜいオープニング時に雇いにくくなっただけのようである.開業後に持続的な影響を与えているとも考えにくい.センセーショナルな開業で県民のマインドを好転させたのかもしれないが,実体経済への影響は現時点では限定的であるように思う.

ありえる解釈として,ライカムが他企業の雇用をクラウドアウトしたのかもしれない.ちまたの「経済効果」には注意が必要だ.
(私のここまでの考察もまったくシリアスなものではないので,話半分に受け取ってほしい.)

Friday, October 16, 2015

国際経済学II, 第2-4回, 2015

多忙につき,まとめての更新です.すみません.

講義内容
  •  データの概観
    • 貿易,資本,為替,金利,がこの講義の主役.
    • グラフを見るときはトレンドを見るべし.
  • 資本移動の深化と金融危機
    • ときには資本移動が経済を攪乱することがある.
  • SNAの基本
    • GDPや経常収支や金融収支はフローなので混乱しないように.
    • 名目と実質も区別したい.物価はPPPを学ぶときに再登場する予定.
  • 来週はレジュメ3に進みます.あらかじめ用意してください.


コメントより
  • 「趨勢,乖離,はなんて読むの?」
    • すうせい,かいり,です.ご質問助かります.
  • 「グラフは中学生でも読めるし,もっと短くしてもよかったのでは.」「初歩的だった」
    • たしかに少々遅すぎたかもしれません.受講者の学力に幅がある中で,なるべく多くの人にわかるように,という意識があります.
  • 「グラフを読み取るときはトレンドを使ってみたい」 「トレンドを使うとなんとなく理解できた.わかりやすかった」
    • ありのままにすべて見ようとするのではなく,まずは楽に理解できるところまで単純化してください.
  • 「日本円は世界では使えない」
    • せめて東アジアでは使えるようになってほしいものですね.
  • 「輸出が多いとは知っていたが,外国にお金を貸しているとは知らなかった」
    • およそ表裏一体の関係にあることです.
  • 「株で一番大きな会社ってどこですか?」
  • 「GDPの「中間投入451兆円」とはどういうお金か?」「中間投入とは?」
    • 講義中の例で言うと,粘土50万円,に相当します.
    • それそのものを消費するわけではなく,消費する財(最終財)を作るために使われるものを中間投入財と呼びます.
  • 「GDPが増えることの利点って?」
    • 所得が増えて豊かな消費生活が営めるようになることでは. 
    • GDPが何であって何でないかを考えるとよいかもしれません(たとえばGDPそのものは格差や地下経済や環境の質などは計っていない) .
  • 「GNPは中学校の頃までその言葉で倣っていただけに衝撃」
    • 中等教育はまだ20年以上前の世界なんですねぇ.
  • 「他の講義で習った」「復習になった」
    • 基本事項なので丁寧にやっています.
  • 「政府の取り分がもう少し少なくなればと思った」
    • 我々の取り分が増えるように税金が使われていればよいのですけどね.
  • 「国際収支統計は貿易による収支の統計をとったものか?」
    • 鋭いですね,貿易も含めた国際取引の統計です.
  • 「国民の経済活動が全部計算して表されることは非常に興味深かったしすごいことだと思った.今回学んだことを,今後の人生にいかせていければと思う」
    • 勉強した経験はなんであれ人生に活きると思いますよ.
  • 「先週は病欠でした」
    • 出席数が気になる場合,欠席届や診断書があれば提出してください.



この講義とは直接関係ないが,今期大学院向けの国際経済学ではガチの勉強をしている.先週はAnderson and van Wincoop 2003の構造グラビティと,Arkolakis他による十分統計量アプローチを学んだ.次回はMelitz 2003の予定.わりかしガチ.

そういえばMelitzってちゃんと読んだことなかったなと思って開いてみたら,院生時代の自分が細部までしっかり読んだ形跡が残っていた.どれだけ耄碌しているのだ私は…

似たような記憶は微分方程式の教科書でもあった.まったく身についていないし別段意欲を持って解く理由もないのに,練習問題を解いていった形跡が確かに残っている.恐怖さえ覚える.

継続は力なりということだろうか.どんなに努力しようとも,3年怠ればただのディレッタントである.専門知は,減耗率も高い.自分が積み重ねたという事実さえ忘れてしまう.

ノーベル賞はその遙か果ての果てにあって私には見えない.Deatonの業績にはほとんど不案内だけれど,敬意と祝福を送りたい.


経済政策II, 第1-3回, 2015

出張・体調不良などで更新が遅れました.このブログでは講義の振り返りや,いただいたコメントへの返信,補足説明などを行っています.

講義内容
  • ガイダンス
    • マクロ経済政策について標準的知識を学ぶ.
    • 成績評価は試験2回で.
    • 講義資料はウェブで配布中.印刷にコストはかかりますが,教科書を1冊買わされるより安いと思っていただければ.
  • 政策の目標
    • 万人が納得するゴールはなかなか設定できない.実践上はどこかで妥協が必要になるだろう.
      • みんなの意見を最大公約数的にまとめようとすると,「一億総活躍」のように,昭和の記憶を呼び起こす以外にこれといって具体的な主張のない,何とでもとれるようなフワフワしたものになってしまう.
  • マクロ政策の背景
    • 「三本の矢」「新三本の矢」とキャッチコピーがついているけど,どれも普通のマクロ政策パッケージの延長線上にある.まずは基本を押さえることからはじめよう.
    • 日本の財政赤字は世界でも珍しい状況.世代間の対立も生じる.
    • キャッチアップのプロセスが終わった後に成長率が低下するのは自然.ただそれにしては低成長が続きすぎている模様.
  • マクロ指標
    • フローとストックの区別を意識しよう.GDPはフローの指標.
    • 名目と実質の違いは,物価が鍵.

コメントより
  • 「グラフを見ることでたくさん感じることや学ぶことがあり勉強したくなった」 「この講義はさらなる考察力の向上につながると感じたので,充実した学習に取り組むように努めたい」「たくさん学びついて行けるようがんばります」 
    • がんばりましょう.講義に参加するだけでなく教科書を読破するといいですよ.
  • 「累進課税で成長悪化,とのことだがどこが悪くなるのか?」
    • 私が「成長」というとき,一人あたり実質GDP成長率の動きを指します.生産も所得も消費も伸び悩む,というイメージを持っていただければ.
  • 「平等って難しい」「幸せって難しい.」「全員が納得する政策はないかもしれない」「一つ一つ経済政策を通じて解決していこうと努力する今の社会はいいと思う.だけど,すべての人が幸せになるとは限らないので,とても難しいと思った」
    • その通りでして.
  • 「多数決は絶対ではないと初めて知った」
    • 多数決を盲進することはかえって民主的でない事態を招く可能性もあります.
  • 「実力によって見合う給料を決めてほしいので,安定よりも競争派.しかし逆の人もいるので,妥協点を見つけるのがよい」
    • 実力に見合う給料に決まると世の中はもう少し効率的になる,というのが伝統的な経済学ですが,実際にはどうでしょうか.万人が納得する,という状況はないでしょうねぇ.
  • 「プロ野球選手が1億稼いだとしたら課税でどのぐらいかかりますか?」 
    • わかりません.控除があるので4割そっくりそのままは納めません.
  • 「やはり少し難しい」「今まで経済系の講義は難しかったけど先生の講義には素人にもわかりやすい」
    • 難しいなりに継続していると,成長して私の話が通じやすくなるのかもしれません.
  • 「若年失業率のグラフで,上がった下がったがわからなかった」
    • 軸を確認しましょう.
  • 「アベノミクスの中身は,イメージだけでなく具体的な内容の話があると覚えやすい」
    • おっしゃるとおりですが,具体的な論点に踏み込むととてもテクニカルになってしまいます.中途半端に単純化して伝えようとすると,たとえば「お金をばんばん刷る」などと言うと,かえって深刻な誤解を招くリスクがあります.
  • 「名前だけ知っているアベノミクス」「名前だけ知っている三本の矢」
    • ニュースのキーワードそのものではなく,金融政策や財政政策の基本的な仕組みを知っておくことが大事だと言いたかったのです.
  • 「財政赤字をかかえている中で東京オリンピック開催することでさらに財政赤字になるのではないですか.また,年金・社会保障は私たちが老いた頃には少子高齢化のためもらえないのではないですか」
    • 鋭い.
  • 「年金は希望者だけだったらいいのに」
    • 若者がそう感じるのは無理もないですね.
  • 「若者の声を反映できるような制度があるといいですね」
    • 選挙権年齢が引き下げられましたね.
  • 「企業が人を雇えなかった場合,消費者がいない場合,財政はどうなるの?」 
    • 話が飛んでいて答えにくいですが,人を雇えない企業は賃上げなど待遇改善をするか,待遇改善する目途を立てられなければ市場から撤退するかですね.
  • 「給料が上がっても物価が同じだけ上がったら実質的には上がっていない,というのはおもしろい」
    • 経済学を勉強していない人はよく錯覚します.
  • 「図8(物価)の3つのグラフは,将来どのような動きをするのが望ましいのか?」 
    • 今の政府は,将来もっと物価が上昇してくれるとうれしいと考えているようですよ.経済学者によっても濃淡ありますが,インフレ率は通常0~4%程度で安定して推移する状況が望ましいと考えられているようです.
  • 「去年国際経済学IIでやったけど忘れていた」
    • そろそろ思い出してくださいね.
  • 「教室が狭く座る場所がなくて外で聞いていた.広い教室で集中して学びたいので教室変更できないか?」
    • 気づかずに失礼しました.現在調整をお願いしています.