レポートの提出ありがとうございました.様々なテーマで創意工夫を凝らしているようで面白く拝読しました.中にはいい卒論につながりそうなものもありました.
メールで簡単なコメントを返信しておきましたのでご覧ください.
[重要] ファイルをうまく送信できておらず,レポートを確認できない人が2人います.
成績登録期限までに返信に気づいてください….
レポートの内容面以外で,改善すべき気になるところを思いつくままに書き留めておきます.(というより愚痴を言って採点のストレス解消をします.)
個人的には今回初めてレポートによる成績評価を行いました.ソフトウェアを自分の手で動かす機会がないと統計学はまるで身につかないと思うからです(言うまでもなく講義に出席するだけで身につくわけがありません).ただ,レポートを書くという作業自体が学生には重荷のようでもありました.私が思うアカデミック・ライティングの常識がまったく通用せず,頭痛がしました.
学術論文はおろか論文に準ずるレポートもろくに読んだことがなければ,そもそもレポートを書きようがないのは仕方がない気もします.大学でレポートを書いてもろくにフィードバックはほとんどもらえず,どこがおかしくどうすれば改善できるのかもよくわからないのが普通です.たとえやる気があってもどうしていいかわからなければストレスが大きくうまく取り組めないのかもしれません.普通の大学生活を漫然と過ごしているだけではロジカルに書かれた小文を精読する機会がなさすぎるのではないでしょうか.夏休みを利用して,新書ぐらいは何冊か読んでいただきたいものです.
本来は大学がアカデミック・ライティングを教える機会を別に用意していればいいのでしょうが,そもそもまともな水準の学術論文を書いて(銃声)
メールで簡単なコメントを返信しておきましたのでご覧ください.
[重要] ファイルをうまく送信できておらず,レポートを確認できない人が2人います.
成績登録期限までに返信に気づいてください….
レポートの内容面以外で,改善すべき気になるところを思いつくままに書き留めておきます.(というより愚痴を言って採点のストレス解消をします.)
- 課題に応えていない.
- 標本をExcelでいじってみよう,という趣旨の課題ですが,データもへったくれもない確率日記みたいなレポートが散見されました.こうした的外れなものは採点・評価しようがなくたいていは不可ないし可になっています.
- 仮説を持て,とわざわざ指定しているのに,仮説がどこにも見当たらない人も多かったです.要求されていることから逃げては低い評価しか得られません.
- 参考文献.
- 参考文献は,先行研究を整理して自身のオリジナリティを明確にする上で不可欠なものです.また,研究成果の再現可能性を担保する意味でも重要です.ところが,参考文献自体がまったくない人や,URLだけ書くなど引用の作法が怪しい人がほとんどでした.引用の仕方はググれと言いましたが.
- 孫引き.
- 何らかのウェブサイトから取ってきたグラフを使っている人も多くいました.そのウェブサイト自身がどこからデータを取ってきたのかを見て,オリジナルの統計に直接アクセスするようにしてください.
- テーマによって一次情報が二次情報よりも優れているとは限りませんが,より情報源に近い方から当たるのが望ましいと思います.
- こうした情報の階層構造を理解していない学生がいる予感もするので,どこかでちゃんと情報ソースについて講義時間を割かねばならない気がしました.
- 適切なグラフを選べていない.
- クロスセクションのデータを折れ線グラフにして相関を読み取ろうとしている(しかも間違っている)ケースがけっこうありました.私も身に覚えがあるので大きな声ではいえませんが,散布図使いましょう.
- 講義で学んだテクニックがまるで使われていない.
- 記述統計もまとめろ,と念を押したのにほぼ全員が標準偏差すら書いてくれませんでした.半年かけて無駄な授業をした気さえします.
- 一方で何人かは重回帰に取り組んでいろいろ考察を加えてくれました.よくがんばりました.
- 時間を費やしていない.
- 考えを巡らし試行錯誤する時間が不足しています.4月の最初の講義から課題を指定し,月1回程度リマインドし,分析には時間がかかることも周知し,締め切り1週間前ぐらいには出せるようにせよとも促しました.にもかかわらず,締め切り直前の数時間でしたやっつけ仕事のようなレポートが多く見られました.素人のにわか仕込みで通用するような生ぬるい授業はしていません.
- 計画的に作業ができない人は学業でも仕事でも大成できないと思います.行動経済学の格好の研究対象というか…
- 国語力が低い.
- レポートは平均2ページ程度で,1ページしかないケースもけっこうありました.悲惨なものだとデータとグラフだけで文章さえありませんでした.とことん説明不足です.学術的なコミュニケーション能力が粗雑すぎます.
- 私が普段読む学術論文は10~30ページが普通で,100ページ超えも珍しくありません.長いほど偉いわけではありませんが,問いや仮説の説明,その意義,先行研究のまとめ,用いるデータの説明,枠組みの説明,結果の説明と解釈,まとめ,など必要な項目を一通り書くだけで数ページはすぐ埋まるのではないでしょうか.
- エコノメよりも先に国語を勉強した方がいいと思います.
- 講義タイトルを間違えている.
- 「社会経済統計学I」という長いタイトルではありますが,ここをあえて間違う不届き者がたくさんいました.曖昧なところを逐一調べる,という手間を惜しみすぎです.わからない言葉に出会ったら辞書をひく,という習慣さえない人なのだろう,と見下されてしまうことにもなるのでは.
個人的には今回初めてレポートによる成績評価を行いました.ソフトウェアを自分の手で動かす機会がないと統計学はまるで身につかないと思うからです(言うまでもなく講義に出席するだけで身につくわけがありません).ただ,レポートを書くという作業自体が学生には重荷のようでもありました.私が思うアカデミック・ライティングの常識がまったく通用せず,頭痛がしました.
学術論文はおろか論文に準ずるレポートもろくに読んだことがなければ,そもそもレポートを書きようがないのは仕方がない気もします.大学でレポートを書いてもろくにフィードバックはほとんどもらえず,どこがおかしくどうすれば改善できるのかもよくわからないのが普通です.たとえやる気があってもどうしていいかわからなければストレスが大きくうまく取り組めないのかもしれません.普通の大学生活を漫然と過ごしているだけではロジカルに書かれた小文を精読する機会がなさすぎるのではないでしょうか.夏休みを利用して,新書ぐらいは何冊か読んでいただきたいものです.
本来は大学がアカデミック・ライティングを教える機会を別に用意していればいいのでしょうが,そもそもまともな水準の学術論文を書いて(銃声)
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