Thursday, July 28, 2016

経済政策I, 第14回, 2016

夜間にひっそりと行っているこの講義については特に情報発信はしていなかったのですが,試験前なのと,最後の講義後にいただいた質問に回答するべく更新しておきます.

これまでの講義
  • ゲーム理論の入門的な知見を学びながら,ミクロ経済政策を考える練習をする講義であった.
  • 特に講義の中心となる問題が囚人のジレンマであった.重要な応用例をいくつか学び,それらを解決する方策はそう単純ではないことも学んだ.
    • 例: 公共財供給,共有地の悲劇,逆選択,投票によるモニタリング,入札談合.
    • 解決策: 課税,社会規範の形成,シグナリング,長期的関係,など.

前回講義でもらった質問:
  • 「談合で裏切れば相手を退出させられる場合,将来独占利潤が得られるようになる.このとき協調は維持できないのでは」
    • よいところに気がつきました.分析したい状況次第では,講義で紹介した例は当てはまりません.どういった状況を考えるにしても,一般論としては,協調するメリットに比べて裏切るメリットが大きくなれば,協調はより達成しにくくなると考えられます.
    • 相手を追い出すことに成功したとしても,市場を独占し続けられるかというとそう簡単にはいきません.別のプレイヤーが新規参入してくるかもしれないからです.

週末は出張のため,質問があっても回答できないかもしれませんがご了承ください.わからないことがあれば参考文献にあたってください.

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