講義内容
コメントより
- 総需要・総供給モデルつづき
- 政府が財政政策や金融政策を通じて総需要を調整し,景気をコントロールすることを総需要管理政策と呼ぶこともある.
- 総需要曲線や総供給曲線の傾きによっては,政策効果が期待通りに発揮されないこともある.
- 成長の基盤となる経済制度を整えることも前提として大切.
- コストプッシュ中に総需要を増やすとけっこうなインフレになることも.
- 財政
- 政府にも予算制約がある.
- 返せない,あるいは返さない方がまし,となったらデフォルトとなることもある.
コメントより
- 「なぜ2つのグラフの形はこんなにいびつなのか?そして,このグラフから不況を見抜くのか?」
- 直線のグラフは直感的にはわかりやすいですが,あくまでも現実を近似したもので,現実そのものではありません.
- 理論上は,各曲線が垂直になる状況を表現することができます.ただ,こうした理論的基礎はちょっと難しいので講義ではカバーできません.マクロの教科書で理論的な背景を学べば,もう少し経済状況を豊かに想像できるようになると思います.
- たとえば労働力や資本をフル稼働させていてこれ以上生産するのは容量オーバー,という状況では総供給曲線は垂直だと解釈できます.また,流動性の罠と呼ばれる状況(後半の講義でやります)(+かなりアドホックな仮定をおけば)では物価が動いても総需要は動かず,総需要曲線が垂直な状況を導出できます.
- 「アベノミクスと言った政策の分析も個人見解という形でも導き出すことのできる要因になるのではないかと思った」
- 文意がよくわかりませんが,いろいろ分析できる便利な道具ですので身につけておくとよいと思います.
- 「シンガポールなど現在経済成長中の国は総需要・総供給をうまく使いインフレを起こしているということですよね?」
- 多くの国では多くの政治家・官僚が総需要・総供給モデル的な考え方を理解しているのではないかと思います.
- ついでにシンガポールでインフレが起こっているかどうかデータを見てみました(下図).インフレを起こしているというよりは,落ち着いた状態で制御できている,という印象です.
日本とシンガポールのインフレ率比較. 出典: World Bank, World Bank national accounts data. - 「社会主義で経済がうまくいっている国ってあるんですか?」
- 日本(笑)
- 「がんばったら報われる社会の方が人生が充実すると思います」
- そうですね,若いうちはぜひがんばっていろんなものに挑戦してください.同時に,挑戦したけどあえなく失敗した人にもやさしくできるといいんですね.
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