講義内容
- 時系列グラフを読む
- 枝葉を取り除いたトレンドに注目する.
- 国際マクロのデータを読む
- プラザ合意,リーマンショック,安倍首相再登板,などトレンドを大きく変えるようなイベントも押さえよう.
- 金融取引のグローバル化
- 日本は比較的閉ざされているものの,急速に進んでいるのは確か.
- レジュメ1の残りに触れた後,レジュメ2でSNAの基本を学ぶ.
コメントより
- 「図10(金融収支)が12年頃からマイナスになっているが,原因は? 外国に貸した分が返済されたのか? 日本の借金が上回ったのか?」
- 鋭い質問ありがとうございます.
- 資産が減ったのか負債が増えたのか,という質問かと思います.一概にどちらが原因かと答えることはできません.
- 実際にデータを見てみましょう.金融収支と一対一で対応しているわけではないですが,投資収支の資産と負債の動きをグラフにしました.灰色の部分は金融収支がマイナス(正確には,ここでは資本収支がプラスの時期に色塗りしています)になっている部分です.
BPM6向けに,投資収支資産の符号を変えている.出典: 日本銀行. - 資産(青線)も負債(赤線)も似たような動きをしていますが,従来は基本的には資産>負債だったことが見て取れます.
- 11年以降に金融収支がマイナスになった時期には,負債以上に資産が減ったケースもあれば,資産は増えたがそれ以上に負債が増えたケースもあることがうかがえます.
- 「キャリートレードって具体的にどうやるの?」
- 低金利通貨をショート,高金利通貨をロング(先物で),でしょうか.実態を把握するのは国際機関や専門家にとっても容易ではないようです.
- 「日本の借金を対外純資産から返すことはできないの?それとこれとは別?」
- 日本≠日本政府,です.日本政府は外国人だけに負債を負っているわけでもありません.おっしゃるように別次元の問題かと思います.
- 「円安はアベノミクスが影響しているとは聞いたことがあるけど,金利はどうなっているの?」
- ご質問が(1) 金利が為替に与える影響なのか,(2) アベノミクスが金利に与える影響なのか,よくわかりません.
- 金利の動きは為替に影響があります.これはレジュメ5で学ぶ予定です.
- アベノミクスが金利(の流列)に与えている影響はよくわかりません.
- 「1%,2%というのは自分が感じているより大きい」
- 10年,20年先を見据えて生きることが大切だと思います.ほんの数パーセントでも積み重なると大きな差になります.
- 「かわせ?難しすぎる」「まだわからないところがある」「理解できたか不安」
- 詳しい説明は抜きにして,わからないなりに眺めてみよう,というのが今回の趣旨です.現時点ではほとんど何も説明していませんので,わからなくても構いませんしむしろそれが自然です.
- ただし言うまでもなく,あまりにもハードルが高そうな予感がすれば,受講しないほうがよいと思います.
- 「ただの情報として見るのと,グラフに表してみるのは全然違うと感じた」
- これは私も感じます.本学にも本格的な統計学・計量経済学の授業があるといいですねぇ.
- 「国際金融に興味があるので楽しく聞けた」「グラフを見ながら説明してくれるのでわかりやすく理解しやすい」
- なによりです.
- 「教室めちゃ寒いです」「クーラーが寒かった」
- エアコンの設定温度は23度でした.場所によっては寒かったかもしれません.
グラフを苦手とする学生は想像以上に多そう.統計学云々以前の基礎的な統計リテラシーを補完できるような参考書はないものか.
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