スキマ時間にちらっとめくったのでメモ.といっても,正直読むに耐えないのでちゃんと読んでません.
安里長従, 志賀信夫 (2022) 『なぜ基地と貧困は沖縄に集中するのか?: 本土優先、沖縄劣後の構造』
- (構造的)差別の定義が変?
- 差別とはAだ,そしてAの原因は差別だ,と結論を定義しているに近い議論に見えた (ちゃんと読めば違うかも).
- 差別とはあってはならないこととのことだが,その「あってはならない」かどうかを誰がどういった基準で判断するのかが不明.
- 差別に限らず,他の要因が潜在的にあってもその可能性を潰すことなく自説を都合よく当てはめるようなところが目立ち,読者は置いてけぼり.
- 人に対する差別と地域に対する差別は分けて議論したほうがよかったのではないか.
- 知的誠実性に疑問.
- 学者らしき人に,あなたの言うことは間違っているとやんわり指摘されたっぽい下りがあるが,それを真摯に受け止め検討した形跡がどこにもない.
- 他にも強い違和感のある記述があったがどれだったか忘れてしまった.
- 経済学的な議論では,根拠が薄弱?
- (マル経しか知らなさそうな) 素人相手に目くじらを立てるのもなんだけど,経済学っぽいトピックの箇所はほとんどの場合根拠が書かれていない・論証不足・関連するliteratureの無知,と感じた.
- 県民のwelfareが目的になっていないのが悪い,というものの,そんなのどこの地方自治体だってそんなもんであろうし,仮にbenevolentであっても筆者の望む帰結・政策につながる必然性はないのでは…など.
- 経済学を箔付けのためには使わないでほしい (アマルティア・センと言ってみたかっただけじゃないか? など).
- 素人という点では,全体的に文章構成が稚拙で話が見えないので読むのが苦痛.
樋口にムカついているというのは伝わってくる (それはわかる) が,説得力という面では五十歩百歩ではないかと思った.